古代ブログ 107 浜松の遺跡・古墳・地名・寺社 54 山住神社(天竜区水窪町)
自由に出歩けない身体になったが、まだ重要な神社・遺跡も残っているので、文献でわかる範囲のことを書いていきます。
天竜区水窪町の標高1100mの山住山頂に山住(やまずみ)神社があります。奈良時代に伊予(愛媛県)の大山祗神に来て貰ったのだそうです。昔は山住大権現とされ、山住神社となったのは明治維新からです。
山犬信仰(狼信仰)で有名で神社の入口にるのは、狛犬ではなく山犬の石像です。
山住神社から西へ5kmの、現在の152号線とJR飯田線の向市場駅のあたりに山住神社の「遙拝所」があり、山住神社を「遙拝」するようになっています。しかも山住神社はちょうど真東ではなく東から南へぶれて、たぶん冬至の日の出の方向です。それが1つ目です。
2つ目には、山住山頂の山住神社の方向が問題です。『中日新聞 2008年8月18日(月)』(27)面「古道を歩く 秋庭街道 ⑲ 山住神社 鳥居中央に輝く朝日」は、こう叙述している。
山住神社は南ではなく、県道に面して東を向いているらしい。
「宮司の鎌倉秀雄さん(80)・・・が「一度見てごらんよ」と自慢げに話してくれたのが初日の出。午前7時ごろ、拝殿前の鳥居の真ん中から日が差してくるという。本当にそうなら、神秘的な光景だ。」
「山頂部という地形上の制約などからと思ったが、鎌倉さんの話と結びつけると周到な計画に基づいて建てたのかもしれない。居合わせた神職に尋ねると、やはり元旦祭の時は鳥居の中央部に日が差し込むという。」
浜松に広範に分布する太陽信仰・冬の朝日信仰であることは明白です。
それにしても、太陽信仰と狼信仰の関連は今は何もわかりません。
何か判ったら続報します。