新・本と映像の森 266 高良勉『沖縄生活誌』<岩波新書>、2005年
たからべん。岩波書店。211ページ、定価本体700円。浜松市立中央図書館蔵書。
沖縄を季節に分けて、民俗と歴史と政治を語ってくれる良書。ボクは推薦します。著者は1976年に静岡大学理学部を卒業、沖縄県立高校で教師となる。
詩人でもあり、詩集・著書多数。
項目でボクがおもしろいと思ったものを上げておく。
をなり神 をなり(姉妹)が兄弟の守り神であるという琉球孤の信仰(p11)
旧正月と豚 沖縄では戦後も豚や山羊を1頭丸々自分たちで料理して利用した
グソーの正月 グソー(後生)とは死んだ人々。
鬼餅 「鬼餅の神話」がすごいです。(p32~33)
ウタキとグスク 集落ごとのウタキ(御嶽)もグスク(城)も沖縄の聖地。
清明祭 シーミー際。ウシーミー。4月
チャンプルー 語源はインドネシア語かも知れない(p64)
スクだより スクはアイゴという魚の稚魚。毎年夏の大潮の日にやってくる
カジマヤー カジマヤーとは風車。「カジマヤーの祝い」は97才の祝い。
著者はこう書いています。
「戦後沖縄の歴史で、「島ぐるみ闘争」と呼ばれる闘いが4回ありました。」(p110)
1回目は1956年~1958年。
2回目は1960年代の「祖国復帰運動」。
「第3の島ぐるみ闘争は、1971年に2度のゼネラルストライキとして爆発しました。これらのゼネストは、復帰運動の延長としての側面もありますが、日本の歴史の中で2度もゼネストを決行したのは沖縄だけですので、特筆に値すると思われます。」(p111)
2ページあまりの叙述ですので著者の「2」と「3」を分ける意味が不明ですが、やはり「3」は「2」の発展形と見なすべきではないでしょうか。
著者のいう「第4【ボクの言う第3】の島ぐるみ闘争が1995年に起きました。」(p112)
問題はこの1995年に始まった島ぐるみ闘争が2019年のいままで続いていると言っていいかどうか。続いているとしたら、その中でどう変化があるのかどうかです。
1995年から現在まで24年、やはり沖縄県知事のところが頂上かなあと。
引き続き考えます。