新・本と映像の森 303 伊豆利彦『文学に見る 戦争と平和』本の泉社、2019年
2月15日第1刷、277ページ、定価本体1800円。
近現代の日本文学の戦争と平和に関連した作品を解説した本。
戦争の悲酸さのディテールがよく出ている。そして平和への国民の願いと行動も。
取りあげられた著作の著者名をすこし上げておきます。
阿川弘之
泉鏡花
遠藤周作
大岡昇平
大田洋子
北村透谷
郷静子
坂口安吾
島崎藤村
武田泰淳
徳冨蘆花
夏目漱石
野間宏
原民喜
火野葦平
渡辺清
・・・・・・
もともとは日本平和委員会の機関紙『平和新聞』に2001年8月から2007年8月まで76回、連載した原稿をそのまま本にしたものです。
ただし、もとの『平和新聞』の切り抜きが手元にあるので比べてみると、本のほうに各著者のいちばん後ろに小さい字で書いてある文学者の紹介は『平和新聞』にはない。
たぶん編集者(発行者 新舩海三郎さん)のつけ加えたものではないかと思う。あるいは他の場合もあるので、そのことを本でキチンと書かないのは編集者としてどうかなあと思います。
ボクが読んだ作品は3割くらいかな。ぜんぶ読みたいですね。
著者は日本文学研究者で横浜市立大学名誉教授でしたが、2年前に亡くなりました。
伊豆利彦さんのホームページが現在あって読むことができます。読みにいってやってください。
「伊豆利彦のホームページ」http://www.nizu-yk35.com/tizu/index.htm
昨年、「雨宮智彦のブログ」で「過去現在未来のメモリーノート 21 文学者・伊豆利彦さんのこと 2018年06月18日 16時34分29秒 | 」を書いた。再掲載しておきます。
「過去現在未来のメモリーノート 21 文学者・伊豆利彦さんのこと
2018年06月18日 16時34分29秒 | 過去現在のメモノート
別件で手に入れた1冊だけそのために雑誌『民主文学 2018年6月号』に伊豆利彦さんのことがちょうど掲載されていた。
三浦光則さんという方が書いた「伊豆利彦先生を偲ぶ会」という2ページの小論である(p114~115)
伊豆さんは昨年12月8日に91才で亡くなった。日本近代文学の専門研究者だ。
伊豆さんは「ウィキペデイア」によれば1926年11月10日生まれ、三浦光則さんの文章では「敗戦を甲府の連隊で陸軍二等兵として迎えた。18歳であった。」
「ウィキペデイア」によれば「1950年東京大学文学部国文学科卒業。横浜市立大学文理学部助教授、教授。1992年定年退官、名誉教授。」
伊豆利彦さんは文学者であり、文学の著書も多いようだ。
三浦さんの文章にも「「近代文学の周辺」というエッセイ……掲載後は自身のホームページに全文を載せています。」と書かれているが,残念ながら今日現在(2018年6月18日)でホームページの「表紙」しか残っていず、読むことはできない。
ボクが伊豆利彦さんのことを知ったのは日本平和委員会の機関紙『平和新聞』に連載された「文学に見る戦争と平和」だった。全76回連載。
これは『平和新聞』自体を捨ててはいないので、ボクの手元に整理されずに残っている。いずれ、自分の終活としての「資料整理」の過程でまとまったら紹介したい。」