新・本と映像の森 315 山田洋次監督『十五才 学校Ⅳ』2000年、120分
松竹公開。2000年11月11日。
ビデオ編集をやっていると、映画を観ていても映画の内容を追っているのではなく、監督やカメラマンの撮影の仕方を追っていて、つい自分で苦笑してしまう。
ビデオ編集者の性(さが)ですね。とくに屋久島登山のシーン。ふつうカメラが主人公といっしょに動いて風景が動いていくだろうと思うが、山田監督はワンシーンでカメラが1ヶ所固定を守っている。すごいな。
映画は中学3年生の少年、川島大介くんは半年、学校に行っていない。ある日、横浜の自宅から家出して、あこがれの屋久島へヒッチハイクの旅を始める。
最初の運ちゃんも、大阪から宮崎の女性ドライバーも、その息子も、屋久島登山につきあってくれた若い女性も、屋久島で大介くんを泊めてくれた老人も、みんないい人なんだよな。
まあ、そういう映画なんだけど。ちょっと不自然かなあと思う。映画のすてきさを否定するものではないが。
でも、見てそんはない、いい映画です。