戦争と平和 31 ステルス戦闘機はレーダーで「見えない」のではなく「見えにくい」 20190918
これまで「戦争と平和 29 ステルス戦闘機F-35はレーダーで見えない? 20190526」と「戦争と平和 30 ステルス戦闘機F-35の値段は?」を書きました。
今日は、「ステルス戦闘機」シリーズ3です。
雑誌『軍事研究 2019年10月号』に軍事情報研究会「史上初の第五世代ステルス戦闘機「Fー22ラプター」」という論文が掲載されています。
そのなかに「ステルス」の意味が解説されていますので、紹介します。
それによれば、「ステルス能力」とはその飛行機の「RCS(レーダー反射断面積)」のことで、各国の戦闘機のRCSは次のようです。(同書、p130~131)
最短探知距離の計算方法は不明。
国名 機種名 RCS 最短探知距離
中国 Jー16 5~10m2 355km
ロシア Su-35 1.0m2 241km
ロシア Su-57 0.5m2 185km
中国 J-20 0.1m2 112km
アメリカ F-35A 0.0013m2 60km
アメリカ YF-22A 0.00013m2 40kn
全方位にたいするステルス能力をそなえているのはFー22ラプターだけのようです。これが第5世代戦闘機です。
F-35Aやスーパーホーネットは第4.5世代戦闘機です。
その機種のRCSがどうであれ、それを探知するレーダーが機上のものか、高性能の地上レーダーかで、変わるでしょう。「矛と盾」のようなものです。
つまりこの論文には書いてないけど、
① その機種のRCS(レーダー反射断面積)、
② レーダーの能力
③ レーダーと機体の距離
その3点で探知力は変わるってことでしょうか。
レーダーとステルス機能の細かい解説もあるけど、省略します。
以下、「戦争と平和 29 ステルス戦闘機F-35はレーダーで見えない? 20190526」をコピー。
「戦争と平和 29 ステルス戦闘機F-35はレーダーで見えない? 20190526
三沢基地の航空自衛隊ステルス戦闘機F-35が海に墜落したのは4月9日。いまだに機体の一部が見つかっただけでパイロットの遺体と機体の大部分は見つかっていない。
墜落の時、新聞に奇妙な記事が出た。ボクは奇妙だと思うので以下に紹介する。
『中日新聞 4月10日(水曜日)』(29)面「F35Aが同基地の東方約百三十五㌔付近の太平洋上を飛行中、レーダーから機影が消えた。」
『赤旗 4月11日』(1)面「レーダーから消え連絡が取れなくなりました。」
つまり、味方のレーダーで味方の「ステルス機」は見えるのです。それでは簡単に敵にミサイル攻撃されてしまうでしょうと思うのですが。
新聞が同じ表現なので実際に三沢基地のレーダーで「機影が消えた」のではなく、実際には見えていなかったが「そう発表しろ」という上からのお達しで防衛省発表がそうなったという可能性はある。
雑紙『軍事研究』にチベットに新規配備された中国空軍のステルス機がインド軍のレーダーに捕捉されたという話も載っていた。
それはフェイクもあり、擬装もあり、タヌキとキツネの化かし合いのような話だ。ほんとうのところは判らない。
「矛 ほこ」と「盾 たて」のような真実が定かでない話です。
いちばん威力が増して欲しいのは「味方の攻撃力」と「味方の防御力」で、いちばん威力が減って欲しいのが「敵の攻撃力」と「敵の防御力」。
ところで浜松基地の航空自衛隊エイワックスのレーダーでF35ステルス機は見えるのでしょうか?
エイワックスのレーダーで中国空軍のステルス機は見えるのでしょうか?」