原発と放射能の本 16 黒田・井野・山口編『福島原発で何が起きたのか ー安全神話の崩壊』岩波書店、2012年11月15日第1刷発行、B5版、120ページ、定価2600円+消費税
一昨年はF1事故のドキュメントが多かったのですが、昨年2012年になって福島原発事故の分析などのいい本が出版されるようになったと思います。
これはお勧めです。
「福島第一原発事故は悲惨な結果をもたらし、いまなお漏出される放射能が生態系をはじめわれわれの生活を脅かしつづけている。なぜこのような原発事故が起きたのか、その事故原因とプロセスはいまだ確定されていない。地震による損傷は本当になかったのか?放射能汚染はどのように広がっているのか?制度や組織的背景、倫理的観点も含めて、福島原発事故をもたらした真相に迫る。2012年8月30・31日に行われた国際シンポジウムの記録。」
目次は、Ⅰ 福島第1原発で何が起こったか、Ⅱ 放射能汚染の現状、Ⅲ 日本の原子力政策と安全神話の形成、Ⅳ 核をめぐる科学・技術のあり方
あまり今論議されない、「除染」の問題では京都精華大学の山田國廣さんが、土を大量にはぐことと高圧洗浄の二つの方法では、除染は成功しないと、指摘しています。
そういう基本的な論議抜きに、今、マスコミや国会などで、川で洗ったりという、マニュアルに反するやり方が問題になっていますが、ぼくも、それは枝葉末節の問題で、今の除染の方法でいいのかどうかを、まず考えるべきだと思います。