雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

古代史の本 安本美典責任編集『季刊邪馬台国116号』梓書院、2013年1月

2013年02月01日 05時09分22秒 | 古代史の本

古代史の本 安本美典責任編集『季刊邪馬台国116号』梓書院、2013年1月

 ぼくが定期購読している『季刊 邪馬台国』は日本列島の西端、福岡市の梓書院から発行されています。こういう「地方(失礼!)」の小さな出版社からの「邪馬台国九州説」の雑誌が、近畿や東京で蔓延する病気「巻向遺跡=邪馬台国」説や、「箸墓=卑弥呼の墓」説を真っ正面から批判していることに、勇気と知恵を感じ、心より応援しています。

 興味のある方は、ぜひ一度、手にとって読んで見てください。気に入ったら定期購読してくだささい。

 旧石器ねつ造事件で、それを事前に正面から批判していた一人が竹岡俊樹さんです。竹岡さんが「特集 考古学を疑え」の巻頭論文「旧石器時代研究のゆくえ」をNさんとの対話という形で執筆しています。

 対話しているNさんの発言では、すでに旧石器学界は死んでいる。生き返るチャンスは、藤村のインチキが発覚した2000年11月の時点の後で充分あったのに、みんな自己批判を回避して、竹岡さんの具体的な批判を無視して、自己保存と延命に走った。だから、もう生き返れない。

 10年以上経ったんですね。

 次の論文の、辻本武さん著「旧石器捏造事件考」が秀逸ですので、その目次を紹介します。原文は辻本武さんのHP「『歴史と国家』雑考」で、読むことができます。

 1 旧石器捏造事件 ー節穴の目かー、2 発掘現場では ー見えないものが見えたー、3 石器の観察 ー見えるものが見えないー、4 石器の実測 ー太古と現在の区別がつかないー、5 層位は形式に優先する ー信じられなくても疑わないー、6 捏造「事実」から生まれた歴史像 ー理屈と膏薬はどこにでもつくー、7 脂肪酸分析 -類は友を呼ぶー、8 批判があったが ー正しくても孤立するー、9 彼は「神」になった ー学界はついにカルト宗教と化す-、10 責任を問われることなく… ー彼一人を悪人にして責任逃れー

 もっと考えていきます。


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