古代史の本 11 山口博『大麻と古代日本の神々』宝島社新書、2014年3月、235ページ、定価本体762円+消費税
松本清張さんが幻覚性大麻とゾロアスター教をテーマに描いた『火の路』と『眩人』を受け継いで、山口博さん(富山大学・聖徳大学名誉教授)が描いた日本列島におけるシャーマンと幻覚性大麻の歴史。
その研究の鍵を提供したのが、日本における忌部(いんべ)氏の阿波から安房への東遷だった。
そして戦いを勝利に導く鳥装シャーマンや忌部氏の祖神・天日鷲神の歴史、すべてとてもおもしろいです。
そして忌部氏の歴史書『古語拾遺(しゅうい)』も興味深い。これは岩波文庫で出ているので、手に入ると思う。
日本に渡来した高句麗系・積石塚古墳とも関係在りそうです。別途研究。
高句麗系といえば、有名なのは高松塚、知る人ぞ知るのは高句麗系がからんでいるといわれる厩戸皇子、厩戸皇子自身が大陸の牙民族系の亡命者で多数の軍隊を連れて斑鳩に住みついたという小林恵子説もあります。
それへの賛否はともかく、そういう説があるということは知っておくべきです。賛否・反論は自由。