思考ノート 8 『資本論』 1 はじめにー『資本論』の学習 20220320
カール・マルクス『資本論』を、自分なりに納得のいく説明でまとめていきたいと思う。
一番はじめに『資本論』を読むためのサブテキストについて。
『資本論』だけを初めて読むのでは、とても理解できない人がほとんどかもしれない。ぼくもそうだ。それで、まず『資本論 第1巻』のサブテキストとして、ぼくの推薦図書を書いておきます。以下の3冊です。3人とも信頼できる専門科学者です。
○佐々木隆治『シリーズ・世界の思想 マルクス資本論』角川書店、2018年、定価2000円、第1巻だけの説明だが、いちばん優れていると思う
○大谷禎之助『図解 社会経済学』桜井書店、2001年、3000円、第1巻から第3巻まで全部解説している
○宮川彰『『資本論』第1巻を学ぶ 宮川彰講義録』ほっとブックス新栄、2006年、定価2800円、専門家による名古屋での市民講座のまとめなので、わかりやすい
上から順に、ぼくは推薦します。
本文を読んでサブテキストを読む、サブテキストを読んで本文を読む、これを何回も繰り返すのがいい。もちろん自分の頭で考えながらです。
それから『資本論』のテキストですが、まだぼくは正確に判断できません。今のところ使えるのは。下記の本でしょうか。どっちも今げんざい、市販されています。
○社会科学研究所/監修『新版 資本論(全12冊)』新日本出版社、A5判
○岡崎次郎/訳『資本論(全9冊)』大月書店、文庫版、第9巻に事項索引がついている。
ただ、ぼくは日本語になっていることと、訳語に厳密であればどれでもいいと思っています。
訳語に厳密であればというのは、違うドイツ語は違う日本語に訳すこと、同じドイツ語は同じ日本語に訳すことです。
外国語ができる人は、ドイツ語版、英語版を買って参照するのもいいですね。
『新版 資本論(全12冊)』新日本出版社、の評価は別途書くつもりです。いろいろ専門家の評価はあるようです。
学習法については別に書きます。
資本論を学んでいる多くの方におすすめしたい本です。
◇ 佐々木隆治『増補改訂版 マルクスの物象化論』(社会評論社、2018年)
・・・売り切れになってしまった『マルクスの物象化論』の改訂版ですが、とくに第四章の価値形態論の解説には、本書では触れることのできなかったより詳細な議論が含まれていますので、本書の内容を補うことができると思います。・・・・・
・・・私的労働によって成立する経済的形態規定が、賃労働によって資本として主体化することにより、素材的世界(人間と自然との物質代謝の世界)を包摂し、そこにさまざまな軋轢や矛盾を生み出していくという『資本論』第一巻の解釈を展開しています。また、そのような解釈にもとづいて「素材の思想」とも言うべきマルクスの理論的見地を明らかにしています。
2012年『私たちはなぜ働くのか』(株式会社旬報社)
2016年『カール・マルクス』(ちくま新書)