とある昔日。
「レディオ・ヘッドのA&Rと食事をすることになったんだけどさ、
一緒に行かないか?」
と、以前勤めていたレコード会社の社長「Nさん」から
オフィスで声をかけられました。
レディオ・ヘッドが大好きだった僕のことを知ってか、知らずか......
当然、僕は即答で
「行きます!」
と答えました。
A&Rとはレコード会社、レーベルにおける
アーティスト・プロジェクトの責任者のことで、
楽曲とそのリリースに関しての責任者でもあります。
「Artist & Repertory」の略称。
プロデューサーと同義で使われることが殆どです。
そして、その夜。
僕はN社長が予約してくれた東京、六本木交差点の程近くにある
お寿司屋さんにN社長と女性秘書のM子さんと一緒に向かいました。
そのお店は「一見さんはお断りよーん」的なお店で、こじんまりと、
しかし敷居の高そうなオーラを放つ和風一軒家のお店。
なんだかミシュランガイドに出てきそうな高級系お寿司屋さん。
骨の髄までB級の僕にはマサにピッタリ!
のお店です(@.@)ソワソワ......
そんなお店の暖簾をイソイソとかき上げてお店に入ってみると、
そこには教科書通りのブロンド&ジェントルな白人男性さんと
通訳の日本人女性スタッフさんが
磨き上げられた白木の長いカウンターに座って待っていました。
A&Rの彼はレディオヘッドの担当だけあって、
顔も背丈もどことなくトム・ヨークに似ていた記憶があります。
僕ら3人は、彼等二人の横に並んで腰掛け。
カウンターには5人がずらりと並びました。
流れ出した空気は、なんとなく、
とてもこじんまりとした良い雰囲気で。個人的には
「レディオ・ヘッドの話を色々聞けるかなぁ。。」
などと楽しみにして伺ったのですが、それは、
やはりとても楽しい食事会となりました。
僕らは音楽談義でひとしきり盛り上がり、
仕事がらみの話などもひと通り終わると、今度は、話の内容が
「日本って面白い国だよね、、」
という方向に流れていきました。
どうも、そのA&Rさんは、
レディオ・ヘッドの仕事を通してこの国を見ている感じなのですが、
言語も文化もかなりかけ離れていると思われるこの日本という異国で、
難解な部分もかなりあると思っていた彼ら......
レディオ・ヘッドの音楽が受け入れられているということや、
それにも増してその受け入れられ方の質や
伝わってくるファンの熱度といったものが、
ちょっと信じられないレベルにあるということにかなり驚いているようでした。
もしかしたら、この国のファンは、
同じ言語や文化圏のファンよりも彼らの音楽をちゃんと理解している、
されているような感覚を覚えるような時がある......と。
それが驚きだ、と。
日本という国は本当に不思議だ、と。
僕の理解を超えている部分がある、と。
そんな話になっていきました。
そして、
「実際、
キミ達は自分たちの国の文化というのはどんなものだと思っているの?」
と、僕らは聞かれました。
それに答えようとしたとき......
答えているとき......
僕の頭にはある短編小説に書かれている
「印象的な一文」がずっと浮かんでいました。
だいたいそうです。
こんなふうな質問を海外の方からされる時、
僕にはいつも決まってその「一文」が浮かんでくるのです。
それはいつも悪戯っ子のように楽しそうに僕の頭の中を駆け巡ります。
「御気をつけなさい。御気をつけなさい......」
その言葉を僕の頭に植え付けた短編小説は
「神々の微笑」
というタイトルでした。
芥川龍之介によるその小説は僕にはとても面白いものでした。
とても短くてほんの数十分で読めてしまえるようなものなのですが、
何とも言えない不思議な魅力にあふれている作品です。
舞台は芥川と同じ明治~大正期なのでしょうか......
ハッキリとは記されていませんが、
布教の為に日本を訪れたキリスト教、カトリックの神父さんが
その日々の布教活動の中で感じていることではないか?
といったことを主題にして書かれた作品。
————————パードレ(宣教師) オルガンティーノは、
ある春の日の夕べ、
自分の管轄する南蛮寺(キリスト教寺院の俗称)の庭を歩いています。
彼の布教活動は、彼だけでなく仲間共々順調で、
毎日沢山の人が入信してくる状況でした。
しかし、そんな中で、彼はこう思っています。
「この国の風景は美しい。。
ただ、、自分は一日も早くこの国から逃れたい気がする。。
この国には山にも森にも、、
あるいは家々の並んだ街並にも何か不思議な力が潜んでいる。。」
そして、その日、
オルガンティノは祭壇の前で祈りを捧げている時に
幻とも現実とも分からない不思議な光景を見ることになります......
つづくぅ(・O・)/
大浦天主堂。
長崎県、長崎市にある現存する建物の中で日本最古となるカトリック教会。
ここ美しいですぅー。
けっこう好きーっ。。ヽ(´▽`)/
ここもかつては「南蛮寺」と呼ばれていたのでしょうか......
一本気になる木が......
「レディオ・ヘッドのA&Rと食事をすることになったんだけどさ、
一緒に行かないか?」
と、以前勤めていたレコード会社の社長「Nさん」から
オフィスで声をかけられました。
レディオ・ヘッドが大好きだった僕のことを知ってか、知らずか......
当然、僕は即答で
「行きます!」
と答えました。
A&Rとはレコード会社、レーベルにおける
アーティスト・プロジェクトの責任者のことで、
楽曲とそのリリースに関しての責任者でもあります。
「Artist & Repertory」の略称。
プロデューサーと同義で使われることが殆どです。
そして、その夜。
僕はN社長が予約してくれた東京、六本木交差点の程近くにある
お寿司屋さんにN社長と女性秘書のM子さんと一緒に向かいました。
そのお店は「一見さんはお断りよーん」的なお店で、こじんまりと、
しかし敷居の高そうなオーラを放つ和風一軒家のお店。
なんだかミシュランガイドに出てきそうな高級系お寿司屋さん。
骨の髄までB級の僕にはマサにピッタリ!
のお店です(@.@)ソワソワ......
そんなお店の暖簾をイソイソとかき上げてお店に入ってみると、
そこには教科書通りのブロンド&ジェントルな白人男性さんと
通訳の日本人女性スタッフさんが
磨き上げられた白木の長いカウンターに座って待っていました。
A&Rの彼はレディオヘッドの担当だけあって、
顔も背丈もどことなくトム・ヨークに似ていた記憶があります。
僕ら3人は、彼等二人の横に並んで腰掛け。
カウンターには5人がずらりと並びました。
流れ出した空気は、なんとなく、
とてもこじんまりとした良い雰囲気で。個人的には
「レディオ・ヘッドの話を色々聞けるかなぁ。。」
などと楽しみにして伺ったのですが、それは、
やはりとても楽しい食事会となりました。
僕らは音楽談義でひとしきり盛り上がり、
仕事がらみの話などもひと通り終わると、今度は、話の内容が
「日本って面白い国だよね、、」
という方向に流れていきました。
どうも、そのA&Rさんは、
レディオ・ヘッドの仕事を通してこの国を見ている感じなのですが、
言語も文化もかなりかけ離れていると思われるこの日本という異国で、
難解な部分もかなりあると思っていた彼ら......
レディオ・ヘッドの音楽が受け入れられているということや、
それにも増してその受け入れられ方の質や
伝わってくるファンの熱度といったものが、
ちょっと信じられないレベルにあるということにかなり驚いているようでした。
もしかしたら、この国のファンは、
同じ言語や文化圏のファンよりも彼らの音楽をちゃんと理解している、
されているような感覚を覚えるような時がある......と。
それが驚きだ、と。
日本という国は本当に不思議だ、と。
僕の理解を超えている部分がある、と。
そんな話になっていきました。
そして、
「実際、
キミ達は自分たちの国の文化というのはどんなものだと思っているの?」
と、僕らは聞かれました。
それに答えようとしたとき......
答えているとき......
僕の頭にはある短編小説に書かれている
「印象的な一文」がずっと浮かんでいました。
だいたいそうです。
こんなふうな質問を海外の方からされる時、
僕にはいつも決まってその「一文」が浮かんでくるのです。
それはいつも悪戯っ子のように楽しそうに僕の頭の中を駆け巡ります。
「御気をつけなさい。御気をつけなさい......」
その言葉を僕の頭に植え付けた短編小説は
「神々の微笑」
というタイトルでした。
芥川龍之介によるその小説は僕にはとても面白いものでした。
とても短くてほんの数十分で読めてしまえるようなものなのですが、
何とも言えない不思議な魅力にあふれている作品です。
舞台は芥川と同じ明治~大正期なのでしょうか......
ハッキリとは記されていませんが、
布教の為に日本を訪れたキリスト教、カトリックの神父さんが
その日々の布教活動の中で感じていることではないか?
といったことを主題にして書かれた作品。
————————パードレ(宣教師) オルガンティーノは、
ある春の日の夕べ、
自分の管轄する南蛮寺(キリスト教寺院の俗称)の庭を歩いています。
彼の布教活動は、彼だけでなく仲間共々順調で、
毎日沢山の人が入信してくる状況でした。
しかし、そんな中で、彼はこう思っています。
「この国の風景は美しい。。
ただ、、自分は一日も早くこの国から逃れたい気がする。。
この国には山にも森にも、、
あるいは家々の並んだ街並にも何か不思議な力が潜んでいる。。」
そして、その日、
オルガンティノは祭壇の前で祈りを捧げている時に
幻とも現実とも分からない不思議な光景を見ることになります......
つづくぅ(・O・)/
大浦天主堂。
長崎県、長崎市にある現存する建物の中で日本最古となるカトリック教会。
ここ美しいですぅー。
けっこう好きーっ。。ヽ(´▽`)/
ここもかつては「南蛮寺」と呼ばれていたのでしょうか......
一本気になる木が......
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