新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

箱根駅伝 復路

2011-01-03 17:40:07 | Blogを書く理由
こんばんは。

今、新千歳空港にいます。お土産を買いすぎました(汗

今から飛行機に乗ろうか…というところですが、一つ。

今日の箱根駅伝は素晴らしいレースだったと思います。
優勝した早稲田も二位東洋も最後まで見せてくれましたし、シード争いも素晴らしいと思いました。

各大学の選手・コーチ・監督の皆様、お疲れ様でした。

来年も頑張ってください。

では、また
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出版するのは良いのだけど・・・:近藤誠医師へお願い

2011-01-03 09:30:07 | 医療

おはようございます。

 

さて、今日は午後には実家を出て本州へ帰ります。今は快晴で飛行機は大丈夫だと思いますが、本州はどうなのかしらと思っています。

 

さて、朝一番ですが一つだけ記事を。

悪性リンパ腫の患者さんがいて「近藤誠」医師の本に影響を受けて、怒鳴り込んできた方がいるそうです。というか、僕が直接担当はしていたんですけど、外来日でない日にたまたま他の診療科を受診して、そこで爆発して行ったそうなんですが・・・

 

直接言ってもらわないと話にならないとは思いつつも、思わず患者さん(+家族)に

1時間近くかけて説明しただろうに

と言いたくなりました。因みにDLBCL(T cell rich B)でB症状がひどくて、ほっとくともうすぐ…という状態の患者さん(他科に入院中)をできるだけ早く治療に入ったというのがあるのですけどね。

患者さんが本に書かれている内容と自分の病気が一緒なのか区別するのは難しいと思うので、怒っても仕方がないのですが…僕らが無理やり患者さんに治療することはないです。

他の人にも言います。

治療を無理やりするわけではなくて、必要性を理解して治療を受ける方を選択してほしいだけだ

って。

 

僕はその本を読んだわけではないので、本の批判はしません。

ただ、話を聞く限りでは「抗癌剤治療で死期をはやめているだけだ」「抗癌剤治療は不要」「健康診断も不要」というような内容だとか?

 

違っていたら教えてください

 

抗癌剤治療で死期を早めるかどうか…ということに関しては、抗癌剤治療の原則として「延命、治癒が期待できる」というものがあります。それが期待できないのに治療をしたら「詐欺」です。その通り。

しかし、現在は治験中のもの以外は基本的に延命が十分期待できるとされたものが行われているわけです。

 

因みに悪性リンパ腫や白血病など「治癒を期待できる疾患」と「他の癌腫の抗癌剤治療」を一緒にされてしまうだけで、患者さんには不利益になります。

 

抗癌剤治療が不要かどうか。

効かない患者さんには不要。延命も希望できない患者には不要。

白血病の緩和ケアを行うに当たり「内服抗癌剤を使用するか」という面に関して、使用している人と使用していない人といます

使用していない人はまさに「抗癌剤によるメリットが出ないだろう」と思われる人。

内服の抗癌剤程度では「治癒」には入らず、白血病細胞が増えることで全体的な不利益が出てきたと考えれば開始します。どう考えたって、他の状態なら「毒物」入れているのだから、有益性がないならやる必要はないでしょう

また、濾胞性リンパ腫のように「今」なら良い治療薬がありますが、昔は「注意深く経過観察する」という低悪性度リンパ腫に関しては患者の全身状態が悪かったら(リンパ腫によって状態が悪化しているなら治療ですけど、他の原因で)、経過観察ですよね。メリットがないから

 

ただ、逆に「白血病細胞が増えてきたことで不利益が生じている」「リンパ腫細胞が増大してきて不利益が生じる場合」などはやらざるを得ないでしょう。

 

因みに治しに行く場合は「白血病」「リンパ腫」で治療をしないという選択肢はあまりないと思います。

 

健康診断、癌検診のメリット。これは不明ですね、確かに。

ただ、これをやっているのとやっていないのとで全体的な「差」が出ることはなくても、個人個人では有益かもしれません

いや、有益な人が出るかもしれません。たまたま撮影した胸部単純写真に結節があれば、精査するでしょうし、血液検査でたまたま白血球が減少していれば…とかですね。

 

ここは否定はするつもりはないのですが、抗癌剤などにまったく意味がないような書き方をされているのであれば「間違い」であると言わせてもらいます

 

僕は本を書いたり、Blogに意見を書いたりするのはいけないことだとは思わないのですけど、自分の専門分野以外のところに影響が出るようなことはしないほうがよいと思います

放射線科の先生が抗癌剤治療に関してどれほどの知識があるのか知りませんが、基本的に不利益な治療はしません。特に血液内科分野では有益性が高いです。因みに僕は結構細かいですよ説明が・・・。患者さんは知っているかと思いますが・・・。

近藤誠医師がこのような本を書いている。お前は私に毒をもった。詐欺だ。訴えてやる

みたいなことを言われたら、

「近藤誠って誰?いったい、なんなんだ?」

と思います。

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

ほぼ全員に僕は「抗癌剤は毒物であって、有益性がなければ治療はしない」ということを言っていますが、「それでも治療を行うメリットがあるから一緒に頑張りましょう」というような形にしていると思う。まぁ、治療を受けるように誘導はしていますね。だって、有益性が高いのだもの

 

と、思いました。

箱根駅伝、おもしろいですね。今年は本当に面白いです。

 

では、また。

P.S 白い恋人を買って帰らないとね。約束だし・・・w

コメント (88)
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