新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

本当に必要な医療従事者数はどのくらい?:建前ではなく、現場の意見を!

2013-05-19 23:30:34 | 医療

こんばんは

 

今日は調子よく仕事をしております。まぁ、いつも通りというところでしょうか。

基礎実験でうまくいっていないところも、なんとなくわかってきた(というよりは機械の使い方間違っていた!)し、もう一つの方も業者さんのコンタクトが取れたので進展しそうだし。

 

あとは臨床研究論文がたまっているものを書きあげることができれば・・・(つぎの解析データに進める)

 

今日はネットを見ていたら、東欧日報に次のような記事が出ていました

さて、病院の薬剤師さんも業務が増えてきて大変そうですが、薬局の薬剤師さんたちも「基本院外処方」という流れもあり、仕事が増えているのかもしれませんね。

 

 

県内で薬剤師不足が慢性化


 県内で薬剤師不足が慢性化している。薬剤師数は年々増加しているが、一方で調剤薬局が病院から受け取る処方箋の枚数も同時に増えているためだ。全国平均に比べても少ない状況にあり、過剰状態となっている都市部と地方の二極化が進む。医師や看護師と同様に、薬剤師一人一人の負担は大きく、高齢化の進行で今後さらに高まる在宅医療ニーズに対応しきれない可能性もある。

 厚生労働省は、複数の病院に通う患者の服薬が重複しないようにチェックするなど、薬歴管理を適正に行うため、医師が外来患者の薬を病院外でも調剤できるよう処方する「医薬分業」を進めてきた。

 県内にも病院周辺に調剤薬局が増え、患者が院外の薬局で調剤した割合を示す「処方箋受取率」は2011年度で70.6%と、全国で10番目に高い。10年前に比べ20ポイント近く増えており、処方箋枚数にすると年間964万3千枚、薬局1カ所当たりだと約1万7千枚にもなる。

 一方、県内の薬剤師数は10年の厚労省調査では1660人(薬局・医療施設従事者)で、人口10万人当たりでは全国45位の120.9人。04年に青森大学が薬学部を新設し、地元に就職する学生も増えているが、それでも全国平均の154.3人を下回る。東京の189.9人との差は大きく、東北6県の中でも最も少ない。

 県薬剤師会によると、県内の薬局1カ所当たりの薬剤師数は平均2~3人だが、1人で切り盛りしている薬局も多い。処方箋枚数が全国トップクラスにあるにもかかわらず、薬剤師数は常に全国最低レベルにあり、人材不足が長年解消されていないのが現状だ。

 青森市内で薬局を経営する県薬剤師会の高橋学専務理事は「薬剤師の負担は増えているのに、求人を出しても人材を確保できない。在宅医療に力を入れたいが、今は薬局での調剤業務で戦力をやりくりしている状況」と説明する。

 厚労省の調査では、在宅療養や、病院に通えない患者に対して薬剤師が専門的アドバイスをする「訪問薬剤管理指導」を行うため、国に届け出をしている県内の薬局数は、全体の572カ所のうち8割に当たる477カ所(11年度)。しかし、実際に訪問指導をしているのはこの1割程度とみられている。県薬剤師会は、人材不足が在宅医療に積極的に関われない要因の一つとみる。

 高まる在宅医療への需要に対応するため、県は今月13日に公表した地域医療再生計画の骨子案に、在宅医療提供体制の整備を盛り込んだ。国の交付金を活用し、今後、県内6カ所に拠点となる在宅医療支援センター薬局を整備し、訪問指導のノウハウがない薬剤師向けの研修会などを検討している。

 県医療薬務課の楠美祥行課長は「充実したサービスを提供するには、余裕のある薬剤師数が必要。青森大の卒業生に本県に残ってもらうようにお願いしながら、今後のニーズに備えて在宅支援体制を整えていきたい」と話している。

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医師や看護師さんの話はよく聞くのですが、薬剤師さんの不足に関してはあまり気が付いておりませんでした(義兄は薬剤師なのに)。

 

実際に薬剤師さんたちの仕事量も、僕が研修医のころ(10年前)と比較して増えているような印象があります。患者さんに病棟で説明するためにも、診療科のカンファレンスに参加されている薬剤師さんもいますし。

 

医師・看護師・薬剤師・・・さらにはソーシャルワーカーさんなど、医療に携わる人があとどれくらい必要なのか、建前ではなく・・・実際に現場の意見を集約してほしいような気がします

 

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新型うつか、適応障害か?

2013-05-19 22:54:01 | 医療

こんばんは

 

本日はストレス発散も含めてジョギングと筋トレなどをしておりました。体を動かすのはとても良いと思います。あと、本を読んだりするのもよいですよね。まぁ、自分を少しでも高めていくのはよいことだと思っています。

 

さて、昔から気になっているのですが、「新型うつ病」とか言われているものがありますよね。どちらかというと職場関係のものは適応障害の方が多いような気がしますが・・・

 

若者に増える新型鬱 出社できない…でも旅行や趣味はOK

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130519/biz13051907070019-n1.htm  

2013.5.19 07:07 (1/2ページ)病気・医療

 

 朝になると気分が落ち込み仕事には行けないが、休んでしまえば旅行も趣味も楽しめる。そんな従来にはなかった「新型鬱」を発症する若者が増えている。とくに五月病のシーズンは相談が急増。なかには本当に病気か疑わしいケースもあるといい、企業の担当者や精神科医らを悩ませている。(伊藤鉄平)

■辞めると言えない

 「大型連休で気が緩んだ5月中旬から6月は『心の病』に関する相談が一気に増える。特に昨年は新入社員ら若手の相談が多かった」

 全国180社と契約し、社員らのメンタルヘルス(心の健康)対策を請け負う「ジャパンEAPシステムズ」(東京都新宿区)の臨床心理士、松本桂樹さんは打ち明ける。これまでに面談した新入社員は1千人以上。従来の鬱症状は、40代以降に多かったが、5、6年前から20代の相談が増え始めた。

 「自分では仕事ができると思っていたけれども、思っていたよりできなかった」「朝がつらくて会社に行けないが、辞めるなんて言えない」など相談は“社会とのギャップ”に関する悩みがほとんど。突然会社に来なくなり、人事担当者を介して相談に訪れる若手社員も多いという

■深刻なケースも

 こうした悩みが悪化し、鬱病となるケースも少なくない。3年ごとの厚生労働省の患者調査によると、鬱をはじめとした気分障害で、平成23年に精神科にかかった20代の患者は全国で7万9千人(推計値)。東京女子医科大学の山田和男教授(精神医学)は「若者に多いのは俗に『新型鬱』と呼ばれる症状。一見して元気に見えるが、ときには深刻で、抗鬱剤が効きにくく、治りにくいのが特徴だ」と語る。

 山田教授によると、従来型の鬱では、生真面目さが災いし、仕事でのミスが続くと「自分は無価値だ」と自らを責め、徐々に心に変調を来していく-というのが典型だった。

 ところが「新型」は正反対。都合の悪いことが起きると社会のせいにしがち。すべてのことに興味を失う従来型と違い、会社には行けないが、趣味や旅行などは楽しめる、などの特徴があるという。

なかには「会社を休んじゃったので診断書をください」と来院する“患者”もいるが、「2週間以上眠れないといった症状があり、会社に行けないなどの社会生活に問題が出ていれば、鬱病と診断せざるを得ない」(山田教授)という。

■理不尽への耐性後退?

 なぜこうしたケースが増えているのか。松本さんは「ゆとり教育」の影響を指摘。競争や体罰なく育ったことで、「極めて合理的な思考を持つ一方、理不尽に対する耐性が落ち、『(上司が)やれと言えばやる』というような社会の状況に適応できなくなったのでは」とみる。

 また、突然会社を休んだ社員に周囲が不満を持たないようにする▽本人から労災をめぐる訴訟を起こされないようにする-などのため、軽い症状でも精神科医を紹介するケースも多いといい、受診者の増加は「ある意味、会社側の都合ともいえる」という。

 一方、山田教授によると、精神科医が診断に用いる「DSM-IV-TR」という米国の診断基準がインターネット上に“流出”。医師の質問にどう答えれば、診断書がもらえるのかを指南するサイトもあり、「本当に病気か怪しいケースもある」という。

 山田教授は「従来型の患者には『頑張って』などの言葉は禁句だったが、新型は別。様子をみながら、ハッパをかけるような対策も必要だろう」と話した。

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うちの弟は年金問題が発生した年に社会保険庁に入りましたが、同期がクレーム対応に追われて職場に出てこなくなったのがほぼ全員というような話をしていました。うつ病という診断であったので、自宅まで様子を見に行ったりしていたそうですが、自宅ではゲームをしていたり遊びにいったりと「元気だな」という状況だったそうです。

それを聞き「うつ病というよりは適応障害」と言いましたが、もしかすると今では「新型うつ(非定型うつ病)」というのかもしれませんね。まぁ、彼の性格などがわからなかったので何とも言えませんが。

 

適応障害は基本的に環境要因が大きく、環境を変えれば改善するようなものです。例えば僕が「こんな不条理なこと言う職場なんて・・・」と思っていて、やる気が出なくなるのであれば適応障害と言えるのではないでしょうか。おそらく、僕の性格上は場所を変えれば今まで通りに物事を遂行していくでしょう。

あ、ちなみに現職場に不満はほとんどないですし、僕は現在適応障害のような症状はありませんので((先週は寝不足になりましたがw)

 

 

ただ、「非定型うつ」と言われているものと適応障害はやはり違いますよね。

今ではなんとなく「適応障害」と「新型うつ(非定型うつ)」の違いも分かってきましたが、非定型うつは確かにストレス耐性などもあるかもしれないですね。

 

この記事を読みながら、そんなことを思い出しました。

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診察の時間の重要性

2013-05-18 23:29:09 | 医療

もう一つだけ追加します。

 

人気ブログランキングを覗いてみたら「医学」分野で7位に入っておりました(すいません、10位台をうろうろしていたのは知っているのですが、1桁に来たのは久しぶりで)。本当に応援ありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

7位
新・眠らない医者の人生探求劇場

 

さて、先程サラさんからのコメント(がん遺伝子は遺伝しない)を読み、あたり前ですが患者さんの話を聞くことの重要性を痛感しました。アメリカに来て精密検査に行けたというのは、患者さん一人値に割く時間も影響しているのではないかと思っています。

おそらく話をしっかり聞けば・・もしくは「この年齢ではおかしいのではないか(ちなみに学生時代に、2種類の小児がんをやっている患者さんに関して、おかしいから調べたらどうかと言ったらそんなのはどうでもいいといわれました・・汗)」「一般的に合わない」など考える時間があれば、違う結果にもなったのではないかと思いました。

今、僕は新患外来のみ(建前上)をやっていますので、患者さんをゆっくり診ております。しかし、以前40名くらい+新患の時もそうでしたが、日本で一人の患者さんに割ける時間はわずかではないかと思っています。

 

医療において最も重要なことは「診断」だと思っています。治療も重要ですが、診断が間違っていたら話になりませんよね。アメリカを旅するのにオーストラリアの地図を見ていたら、目的地にはたどり着きません。治療方法が「○○」という疾患で正しかったとしても、××という病気であったので実は効いていなかったという可能性があるわけです。

 

このBlogでも何回も書きましたが、診断などのために検査を行いますが、検査を有効にするのは「検査前確率」です。

 

検査前確率とは「○○というものの確率がどの程度と踏んでいるか」もしくは「○○でない確率はこの程度」というようなものです。

アメリカなどの教科書では「この所見、この所見が合わされば○○の確率はX%」と書かれているのもあります。

昔は参考にさせていただいておりましたが、

「American academy of Family Physicians http://www.aafp.org/online/en/home.html

などにもそういう記載はたくさんあります。

 

診断に至る前の検査前確率は「医師の問診」「身体所見」です。医師が病気を疑えるかという話になります。ここで検査前確率をいかに上げるかが重要になってきます。恐らく「人の話を聞き」「丁寧に診察する」ことができない医師は、どんなに優秀でも検査前確率を上げる能力が下がるのではないかと思っています。

 

僕はあまり優秀ではありませんが、比較的ゆっくり患者さんの話を聞くのでいろいろなことに気が付く機会が多いのだと思っています

 

検査前確率に関して具体例をあげます

 

これは僕が研修医のころに作ったスライドですが、検診の有効性はまさに有病率に依存します。感度(病気を病気と診断する能力)・特異度(病気ではないものを病気でないと判断する能力)が99.9%というとんでもない検査だとしても、検査前確率が低ければ陽性的中率(診断精度)は低くなります

 

一般診療では検査前確率はそれなりに高い(医者によりますが)ので、こんなに感度や特異度が良い検査でなくても十分有用なわけですが、検査前確率というのが検査後の「診断精度」に大きく影響を与えるのは理解しやすいのではないかと思います。

診断だけでなく、何かを判断するというのはそういうプロセスを踏んでいます。

 

白血球が増えていた

 

だけでは、さまざまなことを考えます。

一般的に喫煙者は白血球は増えますし、妊娠でも見た目上増えます。ステロイドホルモン使用中の患者も増えます。

さらに、熱がある…という話だと感染症・・・すなわち肺炎などがないかと考えます(他の検査と合わせ技で考えますが、本来肺炎を疑うならば、熱やせき、呼吸困難などの症状から入りますが)。

貧血の症状や出血があって…という話だと血液疾患を考えるでしょうし、まぁ、いろいろですよね。

 

診断がついた後、検査によって治療の選択肢を変えたりすることがありますが、そこでも患者さんの話を聞けば適切な治療薬に切り替えられる可能性は高いですよね。何に困っているかとか・・・。

 

そういう時間がないのが日本の医療の弱点になっているのだろうと思っています。日本は検査が多い。これは事実だと思います。

僕も定期の患者さん+新患の外来をしているときには、話を聞く時間がないので紹介状から検査だけ先に出していました。患者さんの話を聞けば、もしかすると削れるかもしれない検査もすべて出していました。時間がないので問診の代わりに検査の増加で対応とかですね。

結局無駄な検査が多いというのは患者さんの話をよく聞かなくなったということ、聞く時間がないということなのではないかと思っています。

 

もちろん、それ以外にも診療報酬の問題とかいろいろあるんでしょうけど(汗

 

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肝硬変に骨髄投与:幹細胞の可塑性

2013-05-18 23:08:52 | 医療

こんばんは

 

今日は皆様からもコメントをいただきましたが、ゆっくりと体を休ませていただきました。

34歳(今年35歳)でいろいろ言うと怒られるような気がしますが、学生時代と比べるとやはり体力がなくなったか・・・と思います。

 

あの頃は本当に朝4時に起きてランニングして、シャワーを浴びてから2時間ほど勉強し、授業に出た後その内容をイントラネット(無料のやつを使っていました)にアップし、部活をして、勉強したりして、24時過ぎに寝る。友人と一緒に飲みに行くのみょくありましたが、仮に6時まで飲んでいても次の日の授業は絶対に寝ない(一度、酒臭いから後ろに行けと言われましたがw)。

 

そんなことができていたのも25歳くらいまでか・・・と。

 

研修医のころも3時間くらいの睡眠で肉体的にも精神的にも持っていましたが、今はきついなぁ~

 

眠らない医者も卒業か・・・orz

 

さて、昨日の記事ですがこんなものがありました。

 

 厚生労働省の「先進医療会議」は17日、山口大医学部附属病院が申請した、C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変に対する「自己骨髄細胞投与療法」を先進医療Bとして了承した。同療法は、肝線維化の改善によるQOL(生活の質)の向上は認められるが、6か月以上の長期予後についての有意差が確認されていないもの。事前評価を担当した福井次矢委員(聖路加国際病院院長)は「ほかに治療法がなく、放っておくと予後が悪い。少しでも可能性があるのならば検証すればよい」と容認を主張。会合では異論がなく、了承された。

 同療法は、C型肝炎ウイルスによる非代償性肝硬変で、ほかの内科的治療によって改善が見込めない患者が対象。具体的には、肝硬変の重篤度を評価する「Child-Pughスコア」が7点以上の患者の腸骨から、全身麻酔下で骨髄液を約400ml採取。血液成分分離装置(アムコ)を適応外使用して無菌的に単核球分画を分離精製し、末梢静脈から投与する。現時点では、非代償性肝硬変の根治療法には、肝移植しかないが、脳死ドナーの絶対的な不足や安全面などの問題を抱え、症例数はごくわずか。こうした中で、同療法に対する期待感は高まっている。

 ただ、これまでの試験では、投与後6か月以内に肝線維化が改善されるなど「臨床指標」に有意差があっても、長期生存率にはつながっていないのが現状。さらに「Child‐Pughスコアの1点以上の改善」という主要評価項目について、肝性脳症の程度や腹水の量などで、評価者の主観が入りやすいという問題点も指摘されている。
 福井委員は、ほかの治療法がない現状をかんがみて、「先進医療Bとすべき」とした上で、「将来的に説得力のある評価をしてもらえれば、保険収載もスムーズになるだろう」と付け加えた。別の委員も福井委員の発言に同調、全会一致で先進医療Bとして了承した。

■先進医療Bの「削除」と「申請取り下げ」も了承
 同日の会合では、15日の中央社会保険医療協議会総会で、「メトレレプチン皮下注用11.25?シオノギ」が保険収載されたため、薬事未承認の同薬剤を使用した「脂肪萎縮症に対するレプチン補充療法」の先進医療Bからの削除を了承した。事務局の厚労省によると、医薬品の保険収載を理由に先進医療Bから削除されたのは今回が初めて。
 
 さらに、旧第3項先進医療(現在の先進医療B)で継続審議としていた「ディスポーザブル高周波切開鉗子を用いた内視鏡的粘膜下層剥離術」の申請取り下げも認めた。申請者である国立がん研究センター東病院が、当時の「高度医療評価会議」から、同技術で使用している未承認医療機器について、「薬事承認可能な医療機器」との指摘を受け、試験の中止を決めたため。

■効率化の観点から、メールによる持ち回り会議も
 このほか、会議の効率的な運営、審査の迅速化などの観点から、電子メールのやりとりなどで意見集約を図る「会議の持ち回り開催」が提案され、これも全会一致で了承した。持ち回り会議は、先進医療A、Bの振り分けのみを議題とする場合に限定。具体的には、(1)委員の日程調整が付かない(2)審議案件がなく、テーマが振り分けのみ-の場合に開催する。ただ、テーマが振り分けのみでも、委員の意見が割れた場合には、本会議の開催を義務付けている。【医療・医薬ライター 半田良太】

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この記事を見て思ったことは肝硬変の治療!にも書きましたが、あの研究はどうなったんだろうなぁ・・・ということ。

 

自分の骨髄の投与が有効だというのは、心筋梗塞などほかの「再生できない」ものでも言われています。骨髄の中にある幹細胞には「柔軟性」があり他のものに変わることができます。これを幹細胞の可塑性といいますが、医学の分野では一般的な話になってきています。

もっと簡単に書きますと、幹細胞のなかにも「生まれたての赤ん坊」のようになんにでもなれるものから、「幼稚園児」くらいまで来ていて「可能性は高く、いろいろなものになれるけど・・・3つ後の魂100までのように…ある程度先が決まってきているようなもの」まであります。この幼稚園児クラスでもいろいろなものになれるから、それを投与することで線維化して使えなくなった肝臓の再生のために活用しようという話です。

 

ちなみにデータは「QOLは改善したが、長期予後が不明」とあります。多分6ヶ月で予後に差が出るような肝硬変の人にしか使えないのであれば、恐らく物の役に立たないと思うので長期的に経過を見るしかないのではないかと・・・

 

記事に書かれていますが、他に改善の可能性がないのであれば「先進医療」の名のもとにやってみて、Historical controlと比較してみるしかないのではないかと思います。

 

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がん遺伝子は遺伝しない

2013-05-17 22:08:59 | 医療

そういえば、アンジェリーナ・ジョリーさんが両側乳房の手術をしたという話が週半ばにありましたが、多分BRCAなんでしょうね。

 

BRCAというのはがん抑制遺伝子の一つですが、がん抑制遺伝子というやつが遺伝する可能性のあるものです。

 

先日外来に来た患者さんの家族が「○○という遺伝子の異常がある可能性」を言われて不安に感じているという話がありました。

○○という遺伝子は「がん遺伝子」で、すなわち増殖を促進するものです。これが異常になる・・・例えば慢性骨髄性白血病でのbcr-ablや骨髄増殖性疾患におけるJAK2遺伝子などですね。

 

がん遺伝子が受精卵の時点で異常をきたしていたら、正常発生はしないはずです。理屈上そうなります。

 

ですので、この時はそういったことを説明して「遺伝子の検査は不要」というようなことを言いました。患者の家族のですけど。

 

いつぞや、近藤誠医師関係の話で「アメリカのスクリーニング検査」に関して書きました。

 

検診を否定しているのではなくて、検査の有用性は「患者の検査前確率に大きく依存している」ので、スクリーニングをおこなう集団を限定しているにすぎない

 

例えば今回の乳癌だとアメリカ予防医学会などは

第1度近親者に乳癌が2人以上おり、1人は50歳以下で診断されている

第1度~第2度の近親者に乳がん患者が3人以上いる

などはBRCA遺伝子の異常も含めて「乳癌の高リスクグループ」としている

 

他にもいろいろ書かれているが、そういった情報をもとに40~49歳まではルーチン検査ではなく個別化し、50歳以上74歳までは2年に一回のマンモグラフィーというような話が書かれている

 

 

そこらへんがアメリカの検診がしっかりしている点だと思いましたが・・・・、BRCAの話を思い出して脱線して言っているなぁ。

今回の報道で多分そうだろうと思いながら見ていましたが・・・眠いなぁ。…くぴー。

 

 

それでは、お風呂に入ってきます。

 

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ジェネリックを使いたくない理由

2013-05-17 21:28:50 | 医療

こんばんは

 

今週はいろいろあって、寝不足でした。というよりイライラして大変でした。

先日、僕が怒っている方のはずなのに周囲から「○○先生がお怒りだから自制しろ」というようなことを言われ、何故言われる必要があるのか・・・というのと、そういう方々の顔を立てるために黙っていたら、イライラしてきて眠れなくなりました。僕が言いたいのに、周りの人の顔を立てるために黙る・・・。イライラしますね(笑

ちなみに通常僕は布団に入ると5分で寝ます。どこでも寝れます。

 

ということで、今週は木曜日まではほとんど夜間の睡眠時間が0で、研究室の人はわかるのでしょうけど「眠そう(というより眠らない医者のはずが「うとうと」していたりw)」な状況でした。木曜日の外来助っ人やカンファレンスもよく寝不足でやっていたなと・・・笑いごとではないですが

 

いつもイライラし始めてから数日間は、イライラする原因を考えますが…今回のは

「イライラするだけ時間の無駄。他人に感情のコントロールを任せるのは気に入らない」

原因がわかってもコントロールできる範囲のものでもないし・・・ということで、いつも通りに戻りました。

 

ただ、最後に一言

FBやMixiが好きな人間にチェックされていないという想定はない。そこまで人を低く見てくれるな。

ということで、この話題終了。

 

さて、今日はいくつか紹介したい記事があります。

政府の国民医療費を賄う財源は、健康保険、税金、そして自己負担分の3つしかない。その3つが現在、火を噴いているのが実情だ。

 現在日本は少子高齢化の真っただ中、その進行速度は、年々上昇し、2025年には、700万人の団魂の世代が後期高齢者になる。その時の国民医療費は、70兆円にも膨れ上がると予想されている。政府の国民医療費を賄う財源は、健康保険、税金、そして自己負担分の3つしかない。その3つが現在、火を噴いているのが実情だ。

 このままいくと世界でも健康保険のモデル的存在として、喝さいを浴びた国民皆保険制度の破たんは免れないとの見方をする人は多い。つまり国民の全ての人が、健康保険に入り、健康保険証1枚で、いつでもどこでも安く医療が受けられる制度が破たんするということだ。

 こうした中で、国民医療費削減の切り札として登場したのが、「ジェネリック医薬品」だ。このジェネリック医薬品は、今に始まったわけではない。前々から特許が切れた医薬品が、ぞろぞろ市場に出回ったことから後発薬品といわず「ゾロ品」と言っていた。

 ジェネリック医薬品とは、簡単に言うと特許が切れた医薬品のことだ。製薬会社が開発した新薬は、開発してから20-25年特許を取得してから、販売を独占できる。これを先発品と言っている。その特許が切れた後、同じ有効成分で薬を作るので後発商品という、それがジェネリック医薬品である。

 欧米では早くからジェネリック医薬品は、60%近くの普及率だが、日本ではいまだに16%程度しかない。それは日本と欧米の医療制度が全く違うからだ。欧米では医療保険が極端に限られるので、莫大な医療費を請求される。

 日本は、医療制度が充実しているので、保健でかなりの部分カバーできる。健康保険さえあれば医療費、薬代1~3割負担という恩恵があるが、外国はこうした制度がないので莫大な医療費、薬代を払う。それだけに少しでも安いジェネリックの需要が増えるというわけだ。

 また、普及度が鈍いのはこうした理由だけではないようだ。未だに医師や、薬剤師のジェネリック医薬品への不信感が根づいているのも要因といえよう。

 20年くらい前には、ジェネリック医薬品は、零細企業や中小企業しか製造してなく、薬の卸店も新薬以外は取り扱っていなかったことで、医師や薬剤師にその情報が入ってこなかったようだ。

 現在でこそ大手製薬企業もジェネリックを生産しているが、MRはそうした情報は医師や薬剤師に積極的に与えてないというのが現状だろう

 政府厚労省では、そうした不信感を拭うためにも、「加速試験」や「生物学的同等性試験」、そして2009年には「溶性試験」を取り入れるなど、ジェネリック医薬品の安全性、有効性の二重三重のチェック体制を強いている。しかし”笛吹けど踊らず”政府がいくら国民にジェネリックを使いなさいと、TVやCMで訴えても、肝心の医師や薬剤師にその気にさせなければ、進展はあり得ない。そのため政府厚労省は、2006年4月から、「代替調剤制度」を打ち出しジェネリックの促進に乗り出した。

 これは、今まで医師が出していた処方箋に、患者の希望があれば、後発医薬品変更可とあり、その下に医師の名前を書くといったもの。その時医師が商品名を指定しても、患者がジェネリック医薬品に変更できるという画期的なものだった。

 欧米では、この制度が早くから導入され、ジェネリック医薬品普及の原動力となっている。日本でもこれで大きく普及すると思われていたが、全く効果なし。署名する医師が、患者からジェネリックが欲しいという要望がない限り、署名しないというのが大半、自ら積極的に署名する人などほんの数パーセント。これだけでなく、医師が変更可の署名をしたにもかかわらず、調剤薬局の薬剤師が、何の変化も見せず、そのまま新薬を調剤するといったケースが大半だ。 薬剤師とすれば、調剤過誤の責任や、煩わしいこともあり、患者に問うことはまずしない。患者からジェネリックにしてくれと言ったら、今在庫がないという返事が返ってくる。

 これでは、普及も推進もあったものではないというのが現状といえよう。まず医師や薬剤師のジェネリック医薬品への啓蒙が必要だ。

 ここまで日本でのジェネリック医薬品の普及が遅れているのは、ジェネリック医薬品を患者が選ぶ仕組みができていなかったことが大きな要因と言えよう。今後は処方箋様式の変更により患者が医薬品を選ぶ時代になろう。その時には安いジェネリック医薬品を選ぶことになり、大きく発展していくだろう。(編集担当:犬藤直也)

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と書かれているので、いつも書いていることを書きますがジェネリックを「鎮痛薬」「胃薬」などでは自分自身も積極的に使用していたりしますが、命にかかわるようなものは患者さんに処方し兼ねるというのが実情です。

 

まず、治験などが行われておらず「理屈」上は同等のはず・・・のジェネリック医薬品。もし、同等でなかった場合どうするのか・・・

それ故『抗ガン剤』『免疫抑制剤』など、本当は有効性が先発品より下だったらどうするの・・・と思うものは処方していません。それ以外は気にしていませんが。

 

うちの大学でもとうとう「抗癌剤」の一部を後発品に変えるようですが(薬剤部よりの情報。いろいろなところを行き来するので、情報をもらえます)、実際に使用されている数が少ないので実際の医療費削減にはあまり実効性がない

にもかかわらず、使用している患者さんにとっては有効性が落ちているかもしれない。

 

患者さん1人1人が「有効性が落ちてもよいから安いのでお願いします」と言われれば、「了解です」…と思いますが。

 

先日、こんな記事を書きました

ジェネリックをどこまで使う?

一般名処方の増加:ジェネリック推進はよいがバイオアベイラビリティも考えて

生活保護者はジェネリック強制:奨励はよいが、罰則を設けるな

 

全てのジェネリックを否定するつもりはないですが、効かなかった場合に患者さんの命にかかわるものだけはやめてほしいですね。

 

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患者死亡事例の届け出義務化

2013-05-13 23:00:14 | 医療

もう一つ追加します

 

患者死亡事例の届け出義務化へ 全病院・診療所17万施設に

http://www.47news.jp/CN/201305/CN2013051201001710.html

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/465202.html

 厚生労働省は医療事故の実態把握のため、国内すべての病院・診療所計約17万施設を対象に、診療行為に絡んで起きた予期せぬ患者死亡事例の第三者機関への届け出と、院内調査を義務付ける方針を決めた。関係者が12日、明らかにした。

 現在、届け出義務があるのは高度医療を提供する大学病院など約270施設だけ。新制度では中小病院や診療所も含め、死亡事例を網羅的に収集できるようになる。

 厚労省は専門家による検討部会の議論が近くまとまり次第、医療法改正に向けた作業を進め、秋の臨時国会への改正案提出を目指す。

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この記事だけではわかりませんでしたが、第三者機関からの警察への届け出はないみたいですね。

 

いろいろ意見は出てくると思いますが・・・

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新型ウイルス、ヒト‐ヒト感染の疑い

2013-05-13 22:42:16 | 医療

こんばんは

 

今日は基礎研究はできずに、外来の続きと医局旅行の準備と論文の修正(書きかけ3つ)で終わりました。明日は基礎実験を…と思っています。

 

さて、本日は気になる記事がいくつかあります。まずはこちら

 

「人から人」感染可能性も 新種ウイルスでWHO

http://www.47news.jp/CN/201305/CN2013051301001932.html

 【カイロ共同】ロイター通信によると、世界保健機関(WHO)のケイジ・フクダ事務局長補は13日までに、新型肺炎(SARS)を引き起こすウイルスと同じ仲間であるコロナウイルスの新種について「人から人」への感染が起きる可能性があると警告した。

 新種ウイルスの感染による死者が相次いでいるサウジアラビアで12日、記者団に述べた。フクダ氏らによると、密閉された空間で感染者と長時間過ごした場合などにウイルスに感染する恐れがあるという。

 新種ウイルスは最近、サウジ東部州アフサーで感染が拡大。同国保健省は12日、アフサーで感染者2人が新たに死亡したと明らかにした。

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(CNN) フランス保健省は12日、同国内で2人目の新型コロナウイルス「NCoV」感染者が確認されたと発表した。この患者は、同国で最初に感染が確認された男性と同じ病室に入院していたことがあるという。

保健省によると、この患者はフランス北部バランシエンヌの病院で4月27日から29日まで、同国で最初にNCoVの感染が確認された男性と同じ病室に入院していた。現在はリールの大学病院で隔離されているという。

新型ウイルスのNCoVは、重度の呼吸器系の症状を引き起こすウイルスの新種で、世界中で感染が問題となった重症急性呼吸器症候群(SARS)のウイルスと関連があるという。最近になって初めて人への感染が確認され、主にサウジアラビアを中心とする中東で感染が報告されている。

世界保健機関(WHO)によると、これまでに感染が確認された31人のうち、少なくとも18人が死亡した。

WHOは12日、複数の国で別々に集団発生が起きている実態を受け、NCoVが人から人へ感染する可能性がさらに高まったとの見方を示した。

米疾病対策センターによれば、NCoVは重度の呼吸器系の症状を引き起こし、肺炎や腎不全に至ることもある。SARSの場合は2004年までに終息宣言が出されたが、「新型ウイルスはSARSのウイルスとは異なる」とWHOは指摘。「互いに異なっていながら関連があるため、世界的に懸念が強まっている」とした。

WHOによると、これまでに感染が確認された患者はほとんどが、他の病気も抱える高齢の男性だという。重症化していない段階で感染を確認するのが難しいことから、感染者の正確な数は把握できていない。

フランスで最初に感染が確認された患者はアラブ首長国連邦から帰国した男性で、パスツール研究所が8日に感染を確認。保健省は、この男性と接触のあった124人を特定している。

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 【ジュネーブ時事】世界保健機関(WHO)のフクダ事務局長補は12日、新型肺炎(SARS)のウイルスに似た新型コロナウイルス感染報告が相次いでいるサウジアラビアで記者会見し「これまでの例をみると、感染者との濃厚接触で人から人にうつるという仮説が裏付けられつつある」と明らかにした。
 ただ、感染が地域住民の間で広がっている例は未確認と強調。新型ウイルスには不明な点も多く、感染例が見つかった国などで「新たな感染への監視強化が重要だ」と訴えた。 

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空気感染というようなレベルではなく、飛沫感染か接触感染なんでしょうけどWHOの報告通りで…ヒト‐ヒト感染なんでしょうね。

 

感染症のパンデミックは正直、悪性腫瘍よりも恐ろしいと思う。ウイルスは変異していくのが多いので、治療薬の開発も難しいですしね。

 

何とか感染経路をふさいで、これ以上広がらないとしなくてはと思います。感染しているうちにまた、新たな能力を会得すると厄介ですしね。

 

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久しぶりの外来

2013-05-11 21:39:56 | Weblog

こんばんは

 

今日は雨でした。

5月に入り新患限定の外来を始めることになりました。他の患者さんがいないので、ゆっくり患者さんが理解できるまで説明して…と思っていたら、一人頭合計で1時間近く使っていました(汗

救急車も来たというのもありますが・・・

 

もう少しすると外来の感覚が戻ってくると思うのですが・・・

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今日は予想外の方からお電話をいただきました。血液内科医はどこも不足しているのね…と思いましたw

 

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生命にかかわる診療科の医師は緩和ケアの概念は必要だと思う

2013-05-08 22:45:00 | 医療

もう一つ加えます。

 

 厚生労働省の緩和ケア推進検討会は8日、がん患者に切れ目なく緩和ケアを提供するための地域連携について議論した。その結果、患者がどのような治療を受けたいと考え、どのような場所で生活を続けたいかといった意思を尊重することが重要との考えで一致。緩和ケア提供体制を構築する上で、患者の意思決定を支援する仕組みを盛り込むことを決めた。

 この日の会合は、がん診療連携拠点病院などを退院し、在宅や外来でのがん治療を継続する患者にどのように緩和ケアを提供するかを話し合った。委員の多くが、患者の意思決定を支援する重要性を指摘。松本陽子委員(NPO法人愛媛がんサポートおれんじの会理事長)は、「わたしたちの仲間が治療を中止する時に『これからどう生きたいですかと、医療者の誰もが聞いてくれなかった』と言っていたことを思い出した」と話し、患者の意思に十分配慮するよう求めた。

 岩瀬哲委員(東大医科研附属病院特任講師)は、患者の意思決定支援は、診断時から必要であることを強調し、意思決定支援は主治医のみならず、多職種で行っていくことなども提案した。また岩瀬委員は、「(病院は地域に患者を)送り出したら終わりではなく、われわれはそこからが本番だと考えている」として、がん患者の症状次第で緊急入院することなどを考慮して地域連携を進めていくべきだと訴えた。

 また、在宅医療に携わる医師の立場から発言した武藤真祐委員(医療法人社団鉄祐会理事長)は、「入院患者の意思決定支援も重要だが、外来通院患者の支援をどうするかも課題になる。症状が進行して外来化学療法が困難になる場合には、在宅医療も並列で走ることにより、緩和ケアが最初から最後まで行き届くのではないか」と述べた。

 同検討会の花岡一雄座長(JR東京総合病院名誉院長)はこの日の議論を総括し、「緩和ケアの観点から考えると、患者さんの思いをくみ取り、望む場所での療養を実現させることが重要。こういったことは各施設の担当者個人に任せるのではなく、組織として、ある程度制度化して取り組むことが望ましい」と述べた。この日に出された意見を踏まえ、厚労省は次回会合までに具体的な施策をまとめる。【君塚靖】

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がん患者さんだけではありませんが、そういう生命にかかわる疾患とかかわる以上、緩和ケアというのは常に頭の中に持っていないといけない概念だと思います。

 

ちなみに時間がどうしても有限であり、医療の範囲が限りなく広がっていくためアップデートが追い付かないのが現代の医療です。そのため、当たり前ですが学ぶことに優先順位をつけています。

僕が中心に学ぶ内容は血液腫瘍学(移植などを含む)、救急医療、感染症学、血液学全般、緩和ケア…などです。すべてを学ぼうとすると、おそらくどれも追いつかなくなるので、この項目を中心に、他の分野は機会を見て勉強するようにしています。

まぁ、例えば2年前に受けた総合内科専門医試験はいいきっかけでしたが、常に勉強しないと不安になることが多いです。周りがどう思っているかは知りませんが、僕は結構自信がない(勉強していることに対しては自信を持っていますが、学ぶことが追い付いていない分野があることは嫌というほどわかっているつもり)ところがあるので、暇があるといろんな総合内科系の本を読んでしまいます

最近は画像診断系の本を読み直していたり(胸部CT、腹部CT、腹部エコー、心エコーなど)。

 

話がそれましたが、そういうわけで緩和ケアは重要な分野だと思っています。

血液領域にも緩和ケアというものはあります。ただ、治すことはできなくても「QOLを維持し、延命の可能性がある」以上は内服の抗癌剤治療などを継続することはよくあります。これも積極的な緩和ケアです。死を受け入れたり、そのための時間を作ったり・・・家族と過ごす時間を作ったり。本当に大事だと思っています。それに痛みだったり、精神的なケアだったりを考えなくてはと思うわけです。

 

アメリカみたいにそれぞれ専門家が絡んでくれればいいですが、そういう病院は日本では少ないですので。

 

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P.S

この記事には驚きました。教授も行くんですね。

 救急病院の研修医らの技量向上と定着率を高めようと、福島県立医科大は、福島市と同市医師会と共同して「地域救急医療支援講座」を開設した。救急研修の充実や魅力向上を図り、東日本大震災の影響で深刻化した医師不足に歯止めをかけるのが狙い。福島市内の病院に派遣された同講座の専門医が、研修医らに対する救急医療の実地研修や講習などを行う。

 今月1日に県立医科大と同市、医師会の三者で協定を締結した。

 福島市内の病院に派遣されるのは、救急医学を専門分野とする教授と助手の計2人。病院の研修医や事務職員らに対して救急医療体制に関する助言や指導を行うほか、救急医療システムの構築などの研究や教育にも取り組むという。

 現在、同市内の11病院が輪番制で夜間や休日の救急医療を担っているが、東日本大震災以降、医師不足が深刻化し、救急医療体制の維持が難しくなっているのが実情だ。このため、若い医師らの地元離れを防ぐ取り組みが求められていた。

 今年度は福島市が2660万円を負担し、医師会が講座の運営に協力する。講座開設の期間は2018年3月まで。専門医から指導を受けられるシステムを構築することで、研修医らの地元への定着や、医療機関のレベルアップが期待できるという。【新井哉】

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