一時帰国した孫娘たちは週明けに市役所に出向いた。するとその場で成田空港に到着した日付で転入が受理され住民票や国民健康保険証が交付された。なにやら戸惑いを感じるが月額1万円の児童手当も支給されるという。そして日本に到着して3日目から孫娘の小学一年生としての体験入学が始まった。予想以上にすべてが急テンポで展開していく。近くに住む6年生の男の子は孫娘と顔なじみである。学校長は孫娘の登校時の監視役を勤めるようこの6年生に声をかけてくれた。学校長は毎朝学校正門ではなく途中の線路の踏切のところで登校する児童に声をかけている。
初日の朝は孫娘と母親に私も同行した。踏切のところで私は学校長に初対面の挨拶をして先に学校に行き校長室で待った。しばらくして戻った学校長から担任の紹介がありそのまま全員揃って2階の教室に向う。列の最後の2人の女の子にかこまれた変則の3人並びの机に孫娘は案内された。いつの間にか校長先生は姿を消していた。担任の女の先生は孫娘の名前を黒板に大きく書き、横に孫娘を立たせて「よろしくお願いします」と二人で挨拶し、それに応えて児童たちも同じ言葉を大きく唱和した。それを後の出入り口で見届けていた私がさらに同じ言葉を大きな声で発すると児童たちがいっせいに振り返り、私と母親はその場を退散した。
しばらくの間は登下校時には大人が付き添うことにしている。6年生は授業が1コマ多いので基本的に下校時の監視役は不可能である。私には多くの出番があることを覚悟せねばならない。れんらくノートの記入も私に任された。初日の記事「昨日の夕方はテレビを見ながら寝てしまい、夕食も取らずにそのまま朝まで寝ていました。今朝は4時半に起きて元気にしています。給食の献立表が手に入ればありがたいです」 返信「5月の献立表を入れておきました。今後ともよろしくお願いします」 給食費は一食が226円だという。創立140周年を記念して保護者から「思い出の給食」を募集中だ。その第一弾として6月5日に主食に「揚げパン」が登場する。おかずはポークシチューとコーンサラダ という。
2日目の記事「こちらのかん違いで下校の出迎えが遅れたところ1時半に一人で帰ってきました。昨日は昼寝を3時間して9時には寝て朝は5時前に起きました。本人にとって貴重な体験が続きます。先生方には多大なご負担をおかけしますがよろしくお願いします」 返信「昨日はさよならの後すぐに出ていってしまったので確認しないまま下校させてしまいました。お気づきのことがありましたら教えていただけると助かります」 3日目の記事「昨日はママが迎えに行きました。いつものお友達二人と手をつないで小学校の通りを猛スピードで下校したようです。動きが急でハラハラすることがあります」 返信「学校で使用する①はさみ②セロハンテープ(ちいさいもの)を記名してもたせてください。用意できしだいで大丈夫です」(写真は5月19日渋谷にて)