都の「思い出ベンチ事業」を知ってから、小金井公園を訪れた時の楽しみが一つ増えた。それは、木製のベンチの背に埋め込まれた名前入りのプレートの文言を読むことだ。いろいろ考えぬいて決めたであろう文言に、それぞれの生活がにじみ出る。その一部しか見ていないが、いくつか紹介したい。あるものは墓標のようでもある。
「毎日夫婦で一万歩。たくさんの樹、草花、風、光、思い出よ永遠に。ありがとう。2005.1」 「四季折々の想い出が一杯の此処であなたの笑顔と暖かさと強さを偲びます。2006.8」 「姿は見えなくてもあなたが此処に居る、という真実を 2007.6」 「桜、新緑、こもれび、そよ風、雪景色みんな大好きだった公園の思い出は永遠です。2008.4」「長い間、会社生活お疲れ様さま。定年退職記念に、感謝をこめて、ありがとう 2011.3」
「天の恵み、地の恵、笑顔の恵ありがとう 三陸からの警告、巨大地震を考えよう 2014.10」 「今この時をみんなと笑顔でたおやかに過ごしたい。それが私達のささやかな願いです。2015.1」 「たくさんの思い出をありがとう 二人で築いた家族と共に新しい出発をします。2016.8」 「私達にとってこの公園は主人は走友会の人達と走り、私は主人と桜を楽しんだ公園です 2016.8」