朝鮮半島から目が離せない。27日に南北首脳会談、来月中には史上初の米朝首脳会談がある。南北の首脳会談は、いずれも左派の大統領、金大中、盧泰愚に続いて今回で3回目となる。文在寅大統領の統一に対する立場は二つの主権国家を前提とした連合制だ。首脳同士など多くの会談を定例化しヒトとモノの行き来を進める。
金正恩は3月26日に習近平と会談した際「米韓が我々の努力に善意で応え、平和の実現に向け段階的な措置をとれば非核化の問題は解決できる」と述べた。韓国の専門家は「善意」は経済支援、「平和の実現」は在韓米軍の縮小や撤退などを表す。「段階的な措置」は米国の対応を見ながら合意を重ねていきたいという思惑を示したものと指摘。朝鮮半島情勢のイニシアティブは、今ソウルが握っている。
台湾の蔡英文大統領の最近の支持率は3割台、不支持率は4割台で推移し、16年の総統選で政権交代したときの勢いはない。蔡氏は11日、官房長官にあたる総統府秘書長に南部の高雄市長を務める陳菊氏を起用すると発表した。陳氏は民進党の創設メンバーで、アニメ番組のキャラクターのあだ名で呼ばれるなど党内外の支持が厚い。これで総統府ツートップともに女性となる。政権の中間選挙となる今秋の統一地方選を前に求心力を高める狙いだ。
マレーシアでは連邦議会下院の総選挙が5月9日に実施される。ナジブ首相率いる与党連合とマハティール元首相率いる野党連合の激戦が予想されている。マハティール氏は1981年から5期22年にわたった首相時代、師弟関係にあったナジブ氏を主要閣僚として引き立てた。09年に首相に就任したナジブ氏がマハティール氏が進めたマレー系住民の優遇政策「ブミプトラ政策」の一部廃止に踏み切ったことなどから関係は悪化した。92歳の元首相の復権なるか。