WBCの栗山監督が「大谷とはツンダレなんだ」と発言したという記事を見て、私は初めなんのことだかわからなかった。若者言葉にちがいないが、意味は想像もつかない。あの監督が使いこなしているのに私は時代の波に乗り遅れていると思った。
遅れを取り戻すためただちに調べた。普段は「ツンツン」としてぶっきらぼうな態度をとっているものの、何かのきっかけで「デレデレ」として好意的な態度をとること、またはそのような人のことをいうと定義されていた。もともとはアニメなどの女性キャラクターを形容するのに用いられたようだ。
言葉は、人口に膾炙していくうちにいろいろな役割が付加されて自己増殖してゆく。ツンデレ女子だけでなく、ツンデレ男子も生まれて、さらにツンデレ男女の特徴と恋愛攻略法などのように人と人との関係性へと広がりを見せてゆく。
親鸞生誕850年を記念する女性住職たちの座談会で、司会の釈徹宗氏が「親鸞聖人に対するイメージや魅力をお聞かせください」という呼びかけに、「聖人とあがめるより、先輩というか、身近な感じがします。今でいうツンデレでしょうか。遠方から教えを聞きに来た人に〈いや、知らんし〉みたいな態度をとることもあれば、弟子の唯円さんが悩みを明かすと〈自分もそうだ〉と寄り添ってくれる」とある女性住職は話していた。