玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*未来への歴史

2025年01月13日 | 捨て猫の独り言

 1/4【法の支配 法に崩された】法を作る側の権力者自身も縛り、基本的人権、表現の自由を守らせるのが、法の支配。一方、法による支配は権力側が権力の維持と市民への支配を強めるための道具として法律を作り、反対意見やデモを力で封じ、市民に服従を強いる。似ているようでまったく違う。

 かつては規制や抑圧の大義名分は「国体」だった。日本は天皇を中心とした国家で、国民は国家への忠誠心を持ち天皇に身を捧げるのが当然とする国家観だ。今では国家統制に国体を持ち出すことは考えにくいが、「公共の福祉」や「民主主義」を大義名分に、権力者が集団・結社の取り締まりに利用することもあると歴史学者は指摘する。

 1/5【絡み取られた自発性】両大戦の戦間期から45年の敗戦にかけて、女性たちが活動の母体としたのは3種類ある。銃後活動を目的に発会し、政府や軍と一体で働いた体制的団体。公娼制度廃止や婦選実現など女性の地位向上を訴えた市民的団体。労働者ら無産階級の立場に立つ無産団体。日中戦争が始まる頃から従来の活動は縮小。弾圧され消滅、自ら解散、体制に協力しながら存続(市川房枝の選択)、といった道を選ぶことになった。

  

 1/6【歴史を物語るということ】司馬遼太郎は生前「坂の上の雲」の映像化を断っていたという。歴史を物語る難しさも司馬は感じていた。国民を束ねる記憶を国家は作りたがる。多様な歴史のなかには、史実を意図的に塗り替える歴史修正主義が潜む。私たちはどのように物語を紡げば良いのか。確からしい記憶がいくつもあり、自由に語り合い、少しずつ「より確からしい」歴史を見つけてゆく。その積み重ねが歴史を修正しようとする悪意を見破り、記憶の紛争も減らしていくだろう。

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