歴史に戦争の記述が多いのは、世界中の人々が戦争好きであったからと考えるのは、どこか偏りがあると思っていたが、こんな理由もあった。
戦争の歴史は、そのあとに顕かにあらわれる民族の性格の記録である、という塩野七生の説である。
人間集団の性格をあらわすには戦史が格好の材料だからで、それなら歴史に戦争の記述が多いのもよくわかる。
見方によっては都合のよい解釈であっても、ものごと、心を落ち着かせておくには、考え方の都合よさも大いに効果があるから、何でも違う違うと言い立てて気持ちをささくれさせるよりも、ときにはよいのではないかとも思う。
ご都合主義もすべてが捨てたものではないという、あと三日の年の暮れの、だらけた都合のよい感想である。