也をしんにょうに乗せた「い」という字があります。
施の旁をしんにょうに乗せた字の異体字で、曲がりくねっていく、ななめにずれていくという意味をもっているそうです。
也だけで蛇のあゆみのような感じが出ているのに、それに冠をかぶせた字が本字というのは、漢字を作り上げた人たちに、かぶりもので形を整えたり権威をもたせたりする、形式ばった心情があったからではないかと、勝手な想像をしています。
池に逃げ込む蛇を思わせるこの漢字のかたちには、どこかに連想を誘うい力がかくれているようにも思います。
へびもいろいろ、ぬらりくらりと逃げ回るのもいれば、どこに現れても格好をつけたがるのもいます。