動くことを禁止されて、それが何日も続くと、動かないことが日常のようになっていきます。
コロナ時代の新たな日常などという、ちょっと耳にするとしゃれた感じの言い回しを、動かないことに結び付けてしまうと、動かない代わりに変わるという、奇妙な次元の転換を楽しむことが、人間を落ち着きのない生物にしてしまうのではないかと危ぶまれます。
動きをやめた人間が何をを考え出すか、まずろくなことは思いつかないでしょう。
また、動かないように見せかけておいて、じわじわずるずると押し寄せる悪だくみが生きがいの者を首領に置く国も間近にあるので、日常の退屈だけに気を奪われていると、とんでもない新たな日常にさらされる日が来ないとは限らないのです。