いじめの多くは、一個人に狙いが定められると、いじめてやりたいという欲望をもたない人も加わって、いじめ集団が出来上がり、まるでいじめの乱取り状態になる。
その集団の行為には、相手を正すつもりも、あるいは正す振りさえもない。
いじめのターゲットをとことんひん曲げて見せるように、ドカドカといじめ行為が大きく強くなっていく。
はじめは一個人に対して行われていたものが、やがてその家族や関係者にまで及ぶこともある。
いじめ群団には、乱取りの型ができあがっていて、合法的に、もとの事情は深く知らせず、盛り上がりだけが肝心とばかりに、とにかくわいわい騒ぎ立てる。
狙われた人の命だけは直接奪うことなく、その後の一生が暗くひっそりとなるように仕向ける。
後に残るのは、追われた身のはかなさだけで、子供や孫にも、あああの方のという白眼の材料だけが引き継がれる。
とかく陰湿な風土、これが後世への土産、この国はそんなことでよいのか。