南無煩悩大菩薩

今日是好日也

ころんでもころんでも

2020-05-31 | 古今北東西南の切抜
(gif/source)

古代エジプトでは、スカラベ(糞転がし)は、復活と自己生成という高度な概念を象徴していた。

スカラベは、丸めた糞に卵を入れて、東から西に向かってフンの玉を転がす。これを見た古代エジプト人は、夕方に「死に」日の出で「生き返る」太陽の、毎日の活動周期を思い起こした。というのも、卵が隠されているなんて思いもよらなかったから、糞の中で卵がかえり、幼虫が出てくると、スカラベに自己生成の能力があるように見えたのだろう。

動物の糞は、フンコロガシのエサで、卵を入れておく孵化室の材料にもなる。オスは糞の山にたかって、運べる限りたくさんの、ときには自分の体重の50倍もの糞を集めて球場に丸める。糞の玉は雌へのプレゼント。

また、フンコロガシは、糞の玉を転がす前に、玉によじ登って、くるくるまわる。糞のダンスをするのは、障害物にでくわしたときや、玉が転がっていったときにも踊る。

そして、逆立ちして、後ろ足で糞を押しながら一直線に進む。人間なら自分がどこをどう進んでいるかわからない。

フンコロガシは、糞の上でダンスをしているあいだに、頭の中で空の「スナップ写真」を撮影して、移動中にときどき実際の夜空と比べながらコースをたどっているようだ。

神聖な糞転がしは、満天の空の下で糞の玉に乗ってダンスをしているときに、頭の中に星図を描いている。

(参照/ベリンダ・レシオ「INSIDE ANIMAL HEARTS AND MINDS」)
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