(picture/Andy Warhol)
互いを攻撃せず、異なる視点を尊重すること。
一緒に共通点を見つけ、全体像を見失わないこと。
私にとって色あせない手法であり、みなさんにもおすすめします。
ーエリザベス2世
例えば2011年、女王はアイルランドを訪問した。多くの血が流された同国の独立から90年。英国君主として初めて、独立後のアイルランドを訪れた。32年前には女王の夫の叔父がアイルランド共和軍(IRA)に暗殺されているのだが、この訪問により女王は、類例のない調和の象徴となった。
(picture/Andy Warhol)
互いを攻撃せず、異なる視点を尊重すること。
一緒に共通点を見つけ、全体像を見失わないこと。
私にとって色あせない手法であり、みなさんにもおすすめします。
ーエリザベス2世
例えば2011年、女王はアイルランドを訪問した。多くの血が流された同国の独立から90年。英国君主として初めて、独立後のアイルランドを訪れた。32年前には女王の夫の叔父がアイルランド共和軍(IRA)に暗殺されているのだが、この訪問により女王は、類例のない調和の象徴となった。
(painting/Janina Magnusson)
無縄自縛という言い回しがある。縄はどこにもないのに、自分勝手に無い縄で自分を自分で縛る。
「むじょうじばく」と読む、これは考える葦として避けがたいことのようでもある。
人間ほど妙な動物はない。頭で何かこしらえて、そのこしらえたもので、自ら悩まされている。無い縄を想像的につくり出してそれに縛られることで悩んだり怒ったり喜んだりしている。
猫はニャンとないたり犬がワンとほえたりするが、犬や猫自身が、なぜニャンなのかワンなのかと自省したり悦に入ったりすることは無いようである。
そもそも初めから縄を編まなければいいのだが、どうも本能とやらが承知しないようで、卑やら誉れやら善やら悪やらとなにかと編み出す。
自分でつくったことなのだから自由にどうにでもなるはずが、なんともならず困ってくるという、いたく滑稽な反応だともいえる。
進行する歴史は、そんな反省でいっぱいだが、有史以来、代々生まれ来る人間は相も変わらず懲りずそんなことを繰り返している。
(picture/Kazuo Shiraga -Bakumatsu power-)
才能というのは、ひょっとすると憤怒の首尾よく昇華された姿に他ならないかもしれない。
言い換えるなら、手に負えない対象物を破壊する目的のために無際限に増大していたエネルギーを精神を集中した辛抱強い省察に振り向ける能力、ちょうど幼少のむかし金切り声を出すまで玩具を痛めつけなければ気がすまなかったように、しつこく対象の秘密に食いついて離れぬ能力の別名であるかもしれない。
誰しも、外界の事物を没却して物思いに耽る人の面上に、ふだんなら経験の場で発揮される攻撃性があらわれているのを見た覚えがあるのではあるまいか。
何かの制作に従事する人なども、熱中するほどにけだものじみた凶暴性に取りつかれ、「憤ろしく制作に打ち込んでいる」わが身に心付くことがないであろうか。
もっと言えば、囚われの状態から自由になり、囚われていることへの憤怒から脱却するためにも、こうした憤怒が必要なのではあるまいか。
宥和的な要素にしても、破壊的要素の抵抗を経てはじめて獲ち取られるものではあるまいか?
ー切抜/Th.W.アドルノ「ミニマ・モラリア」より
(picture/source)
フランスの詩人ルネ・シャールさんは、
「汝の正当な奇妙さを発達させよ」
と云った。
差別や偏見というものが生じるということは当人の正当な奇妙さをないがしろにしているか、もしくは不当で稚拙で根拠のない惰性の認識のせいかもしれない。
例えば「性」についてフランスの哲学者ミシェル・フーコーさんは次のように言っている。
「セクシャリティは私たちの振る舞いの一部です。私たちの世界の自由の一部なのです。セクシャリティは、私たち自身が創造する何かです。それは私たち自身の創造でもありますし、私たちの欲望の隠れた側面を発見する以上のことを意味します。欲望とともに関係の新しい形態、愛の新しい形態、創造の新しい形態が生まれているということを私たちは理解しなければならないのです。性は必然ではありません。それは創造的生の可能性です。私たちは同性愛であると断言するだけでは十分でありません。同性愛の生も創造しなければならないのです」。
Nothing Else Matters (Metallica) : MOZART HEROES (Official Video)
(picture/source)
兎と亀と、どっちが早いかということは、長い間、動物仲間のうちで問題になっていました。あるものは、もちろん兎の方が早いさと言います。兎はあんなに長い耳を持っている。あの耳で風を切って走ったら、ずいぶん早く走れるに違いないと。
しかしまた、あるものは言うのです。いいや、亀の方が早いさ。なぜって、亀の甲羅はおそろしくしっかりしているじゃアないか。あの甲羅のようにしっかりと、どこまでも走って行くことが出来るよと。
そう言って、議論しているばかりで、この問題はいつまでたっても、けりがつきそうもありませんでした。
そして、とうとう動物たちの間には、その議論から一戦争はじまりそうなさわぎになったので、いよいよふたりは決勝戦をすることになりました。兎と亀とは、競走を行って、どっちが早いかを、みんなの動物たちに見せるということになりました。
「そんな馬鹿々々しいことはいやですよ。」
と、兎は言いました。が、彼の味方たちは一生懸命兎を説きふせて、ともかくも競走に出ることを承知させました。
「この競走は大丈夫、私の勝ですよ。私は兎みたいにしりごみなどはしませんよ。」と、亀は言いました。亀の味方は、どんなにそれを喝采したことでしょう。
競走の日は、まもなくやって来ました。敵も味方も、いよいよ勝敗の決する時が近づいたので、口々に大声でどなり立てました。
「私は大丈夫勝ってみせますよ。」と、亀はまた言いました。
が、兎は何にも言いませんでした。彼はうんざりして、ふきげんだったのです。
「しっかり走ってくれ。」
と、亀の味方は言いました。そして「しっかり走れ」という言葉を、定り文句のように、皆は口々にくりかえしました。
「しっかりした甲羅を持って、しっかり生きている――それは国のためにもなることだ。しっかり走れ。」
いよいよ、二人は出発しました。敵も、味方も、一時にしんとなりました。
兎は一息に、半分ばかり走りぬきました。そして、自分のまわりを見廻してみると、そこには、亀の姿も形も見えないではありませんか。
「何て馬鹿々々しいことだい。亀と競走をするなんて。」兎はそう言って、そこへ坐り込んで、競走をやめてしまいました。
「しっかり走れ、しっかり走れ。」と、誰やらが叫んでいるのが聞えます。「やめてしまえ。やめてしまえ。」と、ほかの声が言っています。
が、しばらくしますと、亀は兎の傍へ近づいてまいりました。「やって来たな。この亀の野郎。」と、兎は言いました。そして、彼は起き上って、せい一杯の早さで走り出しました。亀がどんなにせいを出しても追いつけないような早さで。
兎は、もう半分ばかり走りつづけて、もう少しで決勝点というところへつきました。が、その時彼は、後の方に姿さえ見えない亀と、一生懸命競走している自分は、何と馬鹿げてみえることだろうと、考えました。そう思うと、もう競走するのが、すっかりいやになって、またそこへ坐りこんでしまいました。
「しっかり走れ。しっかり走れ。」「いや、やめさせてしまえ。」と、大勢は叫んでいます。
「どんな用があったって、もういやなことだ。」兎はそう言って、今度はゆっくり腰をすえてしまいました。ある人は、彼は眠ってしまったのだと申します。
それから、一二時間ばかり、亀は死にものぐるいで走りつづけたのです。そしてついに競走は亀が勝ってしまいました。
「しっかり走ること、しっかりした甲羅を持っていること――それが、それが、亀の何よりのたからだよ。」と、味方のものは言いました。
そして、それから彼等は亀のところに行って、「競走に勝った時の気持をお洩らし下さい」と言いました。亀は自分ではうまい返答が出来ないので、海亀のところへ聞きに行きました。すると、海亀は、「やっぱり、お前の足が早いから、名誉の勝利を得たのさ。」と言いました。そこで、彼は帰って来て、友だちにその言葉をくりかえしました。動物たちは、「なるほどそうかなア」と思って聞きました。
そこで、今日まで「足が早いから名誉の勝利を得たのだ」という言葉を、亀や、かたつむり類は、そのままに信用しています。
が、実際はもとより兎の方が亀より早かったのです。ただ、この競走を実際に見た動物たちが、その後まもなく起った大きな森の火事で、すっかり死んでしまったため、本当のことが伝わらなかったのです。
森の火事は、大風のある晩に突然起りました。兎だの、亀だの、その他五六匹の動物は、その時ちょうど森のはずれの小高い禿山の上にいたので、すぐ火事を見つけることが出来ました。彼等は、大いそぎで、この火事を森の中の動物に知らせに行くには誰が一番いいだろうかと、相談しました。その結果、ついにこの間の競走で勝った亀が、その役目を引うけることになったのです。
もちろん、亀が「しっかり走って」行くうちに、森の中の動物たちは、残らず火事にやかれてしまったのであります。ー参照/ロオド・ダンセイニ「兎と亀」より
"Teardrops" by The Tiger Lillies LIVE at Principal Club
(picture/source)
向こうのお山を猿が行く さきの二匹がもの知らず あとの二匹ももの知らず
なかのお猿が賢くて 山の畑に実を蒔いた
花が開いて実が生れば 四つのお猿は帰り来て 一つ残さず取り尽くす
種を蒔いてた連れの名は 思いも遣らず寄りもせず
North East Ska*Jazz Orchestra - "Take Five"
(picture & copy/source)
A beautiful disaster. Young love can either manifest or destroy. To be or not to be, one of many tough decisions that relationships put you through. The test of love, strength and preservearence.
Leonard Cohen - Dance Me to the End of Love (Official Video)
(picture/Mahmoud J.Alkurd - Hope(Espoir),2014)
すべてのものの「妙」とは何か。
それはこの文字のごとく、若き女の乱れ髪であるという。
つまり、「結うに結われず解くに解かれず」
ということらしい。
Ara Malikian. Tour 15. Misirlou (Pulp Fiction Theme). Circo Price Madrid.
(画/林静一)
ある日曜日の朝でした。ご飯を食べてから間もなく外に遊びに出ようとした房子を呼び止めて、お母さまはお云いになりました。
「房ちゃん、ゆうべのことを忘れたのですか。あれをちゃんと立派にしてからでなくては、遊びに出ませんというお約束ではなかったの?」
お母さまのこのお言葉に房子はハッと一つの事に思い当たりました。それは自分の不注意から、お裁縫用の糸をひどくもつれさせてしまって、眠たい目をこすりこすりそれをほぐそうとしたが、どうしてもできなくて、とうとう泣き出してしまった、ゆうべの出来事でした。
そしてそのことを思い出すとともに、房子はその時たまらなくなって「お母さまよくして頂戴!」と泣き出すのを遮っていったお母さまの言葉がはっきりと浮かんできたのでした。
「あなたがもつれさせたのだから、あなたがほぐせないわけないでしょう。今晩はそのままにしてお休み!そして明日の朝、せいせいした静かな気持ちで。落ち着いてゆっくりとほぐしてごらんなさい」
房子はこれほど大切なことのあったのを忘れて、朝早くから遊びに出ようとした自分を、しみじみ悪いと思いました。そしてそう思うと同時に、あわてて手箱の中から昨夜のままになっている、もつれた糸を取り出してほぐしにかかりました。
糸のもつれはかなりひどくなっていました。おまけによく調べてみると、昨夜の眠たさとじれったさのあまりに、ほぐそうとしてかえって自分の手でこぐらかしたようなところもありました。
はじめのうちは外で唱歌をうたっているお友達のことなどが気になって、なんとなく心が落ち着きませんでしたが、「おちついて、ゆっくり」や「あなたがもつれさせたのだから、あなたがほぐせないわけないでしょう」とおっしゃったお母さまの言葉を思い出して、房子はじっと心を落ち着けてみますと、おいおいもつれた糸の糸口もわかり、もつれた順序もわかってきて、自分でも不思議なほど楽に、やすやすとほぐれてゆきました。
そしてとてもほぐれるものではないと思ったそのもつれ、「こんなめんどくさいことをしなくたって、チョキチョキと鋏で切ってしまったら、それでいいではないか」とまで思いつめたそのもつれが、いよいよ りっぱ に ちゃんと ほぐれた時の房子のうれしさは、とてもとても言って見ようのない嬉しさでした。
そればかりでなく、房子は急になんだか、たいそう大きな力が、自分に与えられたような気持ちさえするのでした。
房子の目に映ったその日の青空の広かったこと!美しかったこと!
ー相馬御風 「曇らぬ鏡」より
(図/勝川春好「達磨と遊女図」)
九年面壁なんのその
わたしゃ十年うきつとめ
煩悩菩提のふた筋に
わたしゃ誠のひと筋を
加えてみ筋で日を暮らし
縁が切れたら成仏と
客の相手に飲むアミダ
済度なさるとなさらぬは
それはあなたのご了見
ほかに余念はないわいなあ。
-穆山禅師
(gif/Abstract CompositionⅡ)
カンディンスキーの作品を動かすと地歌とシンクロする。可はどうかは別にして不思議な感覚を自らの手に入れた私は勝手にご満悦なのである。
" YUKI " Hide Kanzaki 「雪」神崎ひで 1959@新橋演舞場
(picture/Hand with Reflecting Sphere, 1935, M.C. Escher)
実在というのは、誰の目線からのことをいうのでしょう。ね。
エッシャーの画にはひねりがある。錯視錯誤のひねりである。写実ではあるが実写ではないものを知れ汝よ、ということへのインテリジェンスがある。
Wicked Dub Division meets North East Ska Jazz Orchestra - You Can Fly [Official Video 2019]