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世界の歴史の大きな転換点には、しばしば宿命的な人物が現れて、世界の方向を変えてしまう。
その後に生まれるのは、アルベルト・シュペングラーが1914年に予言した「西洋の没落」、エマニュエル・カントが1795年に予言した「永遠平和」、そしてリチャード・バックミンスター・フラーが1981年に「クリティカルパス」で予言した世界などの要素を持つ、新しい時代である。
そして、新型コロナがもたらす「どの国家でも、人種でも、民族でも、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹る」という明白な事実は、「人類は一つの種である」ことを否応なく立証することになる。
そうなると、2030年頃には、「新たな共存共栄の方向を見出して、全体としての生存を図るしかない」というホモサピエンスとしての社会的な本能が具現化していくだろう。
今回も、世界大恐慌の震源地は米国になるだろう。だからこそ、米国の中から世界の歴史を転換する宿命を背負った指導者が出てこない限り、この大恐慌が収束することはないだろう。
ここから先は全く空想の産物である。米国と世界の歴史を転換する宿命を背負ったリーダーはミシェル・オバマさんになるのではないか。
彼女は聡明さ、慎み深さ、清潔さ、高い知性を備え、プリンストンとハーバード出身の弁護士として培ったプロフェッショナルな能力がある。
さらに、ファーストレディーとしてバラク・オバマ大統領を支え、8年間にわたってホワイトハウスを相当な部分で切り盛りをしてきた経験もある。
それにもかかわらず、どちらかというと控えめで、かつ、輝くような女性であり、絶大な人気がある。
新型コロナによる大恐慌が始まる2020年以降、次の米大統領選挙がある2024年まで、多くの苦しみの時代を経て、人々は争うことよりも協調することの重要さを身に沁みて理解するだろう。
バラク・オバマ大統領のファーストレディーとしての8年間と言う輝かしい経験のほかにミシェル・オバマさんが持つのは、西洋人によって米国に強制的に連れてこられたアフリカ人奴隷の子孫であるという宿命である。
新型コロナ以降の米国は、このまま根強い人種差別を持ち続ける国になるのか、それとも、「我々は同じ人類である」という認識に達するのか。
世界でも同じ問いかけがなされるだろう。
日本も例外ではない。日露戦争以降は、米国に移住した日本人は「黄禍論」や人種差別に苦しんだ。
第1次大戦後のベルサイユ条約では日本が提案した「人種平等原則」は否決された。
そして、日本人自身も朝鮮半島出身者やアイヌ民族への差別をしてきた。差別のない国は地球上にほとんど存在しないだろう。
差別がある限り、人類を欠乏の恐怖から解放する「多次元ネットワーク」を全世界に広げるのに大きな障害となる。
どうすれば差別を克服できるのだろうか。問題を解決するための宿命を帯びた指導者が米国に必要になると予測する。
人類誕生の地である辺境から連れて来られた者の子孫であり、ホワイトハウス入りする前はシカゴのサウスサイドという貧困地域に住み、最も優れた能力をもつ人間である、という宿命を帯びたミシェル・オバマさんが米国の大統領になる時に、米国も世界も大きな転換点を迎えるのではないだろうか。
そのような夢想が湧いてくるのだ。
(切抜/山崎養世「コロナ禍の大混乱が去り、新たに生まれる世界秩序」JBpressより)
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