南無煩悩大菩薩

今日是好日也

人事のアンソロジー

2022-05-29 | 世界の写窓から

(picture/source)

止めたいことと、止めても差し支えないことと、止めたくないことと、止めては困ることとがあるように、

止めてもらいたい人と、止めても差し支えない人と、止めさせたくない人と、止められては困る人、がいたりもする。

かように人の事は難しい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

禁じられた遊び。

2022-05-21 | 世界の写窓から

(gif/source)

人はその使い方を知っているものだけを使うことができる。

持っているだけで守る方法を知らなければやがて失ってしまうか、それがなんだものこんなものでどのような災難が身に降りかかるやも知れたものではない。

「本来の使い方を知らないものを使おうとする人間」の危険性は、そこにある。

求めるべきはそれの所有ではなく、それについての知識そのものだ。知識を伴わない所有は無益であり、われわれの心の乱れの原因は、だいたいそのへんにある。

 

Narciso Yepes  Jeux Interdits (Romance de Amor)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

火のつかない会話

2022-03-16 | 世界の写窓から

(gif/source)

人が集まると会話が始まりますが、その場の水準を決定するのは、程度の近い人の多い方に落ち着きます。

忌憚なく言った発言が場の予定調和を外れてしまうと、それを口にした者は気が利かないということに自然となってしまうわけです。

たとえばその場に一人でも人情を解さない人がいると、人情を解さないその人に対する人情のようなものが湧いてきて、話題の範囲が日常茶飯のごくありふれた世間話といったものに限られてしまった、というようなことです。

たぶん、そこで当人としての然るべくを味わうようなことがあったりするわけです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

退屈は阻害された労働の一環である。

2022-03-13 | 世界の写窓から

(picture/source)

艱難や苦悩の合間にほっと一息ついた途端に今度は退屈が人間に忍び寄り、その結果として暇つぶしが必要になる。

生きとし生ける者を働かせ、休みなく活動させているものは、生存を目指す奮闘努力である。ところがいざそれを確保してみると、当の生存を持て余すようになるのだ。

したがって人間を動かす第二の要因は、生存の重荷から解放され、それが感じられないような状態を作り出す努力、「暇をつぶす」、ということはつまり退屈から逃れようとする努力である。

ーショーペンハウアー

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

要するに要すること。

2021-09-17 | 世界の写窓から

(picture/source)

その昔フランスの貴族が馬車の御者を一人募ったところ数名が応募してきたので、試験をすることになりました。

その問題は、「馬車が危険なところへ臨んだ時にはどれくらいで御することができるか」というものです。

一人は「10メートル手前であれば十分に止めることができます」

次の一人は「わたしなら2メートル手前でも止めることができます」と言いました。

また一人は「なんの私は20センチ手前でも止めることができます」と言いました。

しかしどれも不採用で、採用された御者の答えはこうでした。

「私は決してそのような危険なところへは、馬車を進めません」。

また、こんな話もあります。

天下分け目の関ヶ原の合戦の時、東軍は何人かの偵察を出して西軍の軍勢を探らせました。

ある者は「8万の軍勢でござります」またある者は「10万にも上りましょう」などあったなかに一人「一万には過ぎますまい」という者がおりました。

大将家康はその者を呼んで「敵は大軍じゃ、一万とは怪しい」と問い返したところその答えはこうでした。

「左様、敵は7,8万はありましょう。けれど両軍の勝負を計り、身に賭けて戦に志す者は、石田、小西等の頼み切った者どもかれこれ一万に過ぎませぬ。その他は一陣が破れるとすぐにでも戦わずして敗走する手合いで、数えるまでもございませぬ」。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏の夜の夢

2021-09-15 | 世界の写窓から

picture/original unknown)

夏の夜に不思議な草がありました。

その草の紫色の花の汁が眠っている人の目に触れると、その人は目を覚まして最初に見たものなら何でも好きになるのです。

ティターニアが目を覚して最初に見たのが、ロバの頭を被った男でした。

ロバ男に現を抜かしている彼女を周りの人たちが見て笑っているのをかわいそうに思ったオーベロンは、間違った目を治す草を探してきてその汁をティターニアの目に塗り付けました。

すると、目の前にいるのはロバの首の付いた男でしたから、彼女はすっかりしょげてしまいました。

そうして短い夏の夜はいつしかあけてゆきました。

紫色の花、ロバの頭、治す草、それらが今も存在を変えて誰にでもある夏の夜の夢として出てくるのです。

真夏の夜の夢 - 松任谷由実(フル)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

はがゆい

2021-09-07 | 世界の写窓から

(gif/source)

はがゆい唇 島津亜矢【cover】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

hold me tight

2021-09-07 | 世界の写窓から

(gif/source)

Mariko Takahashi "Osaka Bay Blues"

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

やむをえない

2021-09-06 | 世界の写窓から

(picture/source)

雲煙は、已むを得ざるに集まる。

風雨は、已むを得ざるに洩る。

雷霆は、已むを得ざるに震う。

これ、もって至誠の作用を観るべし。 ー佐藤一斎

山鹿素行は云った。

「已むを得ざるに出づる、これ、至誠なり。」

已むに已まれずして、相手のためを思うとき、それは無我となり、至誠であり至情となる。

相手のためを思いながら、同時に我がためを思うなどということは、至誠・至情はもちろん相手のためを思ってということには到底ならない。

已むを已まれず、そんな折にはこの心持を厳に己に確かめたいものだと思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

虚無僧

2021-08-01 | 世界の写窓から

(Bodisattva/original unknown)

尺八を吹く人は世間にたくさんあるが、真に尺八の妙趣を会得して吹く人は稀である。尺八寸の1管の笛は、単に人の心を慰める玩弄品の笛ではない。あの尺八の裡には実に甚深の禅理が寓せられている。

尺八の元祖は紀州由良の興国寺法燈国師の弟子虚竹禅師、その人であるが、故事来歴のことはしばらく置くとして、尺八を吹く人のために、尺八の極意を語ってみる、尺八には投機の偈と云うがある。これは虚無僧の経文とまでせられている偈頌で、実に大切なる二十八文字である、曰く、

一従裁断両頭後 尺八寸中古今通 吹起上那一曲 三千里外絶知音 

尺八の極意はこの一絶のなかに含蓄されている。此の偈頌は解ったようであっても、その奥義に徹底することは容易ではない。が、今ここに蛇足をつけてみると、笛はわずかに尺八寸の管であるが、これに唇を触れて一曲また一曲と吹き起こすときは、心中の雑念、いつしか雲と散り煙りと消えて、我もなく人もなく、笛の音もなく、いわんや恋い、富み、煩悶、名誉利達の念のあろうはずがない、三千里外何物も無くなって、唯天地間に一つの微妙なる笛声あるのみ、ここに至っては悪魔も覗うこと能わず、神仏も守ること能わず、天地独歩の境涯で、この境涯に体達しない以上、真に尺八の極意を会得したとはいえないのである。

すなわち虚竹禅師はこの尺八によって世尊伝来の的々相承の禅理を諸人に周知させるため、また一つには尺八によって人の荒い気性を和らげ、汚穢なる心情を洗い去るために、自ら虚無僧となって天下を周遊せられたのである。

今ここに一軒の家があって夫婦喧嘩をはじめ亭主は割り木を振り上げうぬ畜生!と怒鳴り、女房はなに糞!とすりこ木を持って喧嘩をしている真っ只中へ、飄然一人の虚無僧が天地も蕩けよと嚠喨たる尺八吹奏してきたならどうであろうか、微妙の笛声が耳朶に触れ心の琴線に響いたならば、鬼の如き夫婦も、我知らず魅せられて一種の霊気に触れたかのごとく、振り上げた手もいつしか垂れ下がって、心中なにものかを悟るがごとき思いがあるであろう。

すなわち虚無僧が人の門の前に立って尺八を吹くのは、もと一切衆生を強化する大慈悲心より出たものであるが、近ごろの虚無僧にこの心あるや否やは、予の知るところではない。

引用/村田無道「参禅実話」より

Tamuke (Offertoire)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もののけ

2021-06-22 | 世界の写窓から

(photo/source)

英国の女性であったキーラ・ベルという人は、性別違和感に悩み、10代の時から二次性徴抑制剤や男性ホルモン剤の投与を受けた。そして20歳で乳房を切除した。

だがその後、ベルさんは自身がトランスジェンダー男性ではなく、レズビアン女性であることに気付いたのだという。

このように張りつめ研ぎ澄まされたテンションの時は、其のまえに「もののけ」ということを落ち着いて考えて見なければならない。

もののけ姫/米良美一/cover by maina

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

当てが外れる

2021-06-05 | 世界の写窓から

(gif/source)

ある人が貧者と富者の違いを云うに、

「余計なものだ使ってしまえ」というのと「余計なものだ蓄えておこう」というところにある。

また貧者は収入を予想して浪費し、富者は支出を予想して蓄えるから、貧者は常に当てが外れて困り、富者もまた当てが外れて儲かるのである。

ということだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

visible and invisible そのなにか

2021-06-03 | 世界の写窓から

(photo/source)

透明なガラス越しならばあちらの世界はありありと見える。

しかしその裏になにか一貼りすればそれは鏡になり、こちらの世界をありありと映すようになる。

見える(在る)、ということと、見えない(在らざる)、ということが薄い裏張り一つで逆転する。

ガラスまたは硝子(しょうし)という語は、物質のある状態を指す場合と特定の物質の種類を指す場合があるようだ。

Alessandro Marcello - Adagio

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

上を向け

2021-05-12 | 世界の写窓から

(picture/source)

新米の水兵がマストの上での作業を命じられ、帆柱高く登って行った。

しかし途中でちょっと下を見たら急に恐ろしくなり足がすくんで一本も進めなくなった。

この様子を下から見ていた隊長が剣を抜いて「上を向け!」と大声で叱咤した。

水兵はその声に励まされて天の一角を見つめた。そしていずこまでもと上空高く登って行ったということである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Don't You Want Me

2021-05-03 | 世界の写窓から

(photo/source)

-Gilberto Carvalho, Minister of the General Secretariat of the Presidency of Brazil, speaks to Munduruku Indians during a meeting at the Planalto Palace in Brasilia, June 4, 2013

The Human League - Don't You Want Me (Official Music Video)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする