お。すずめやないか。
そういやぁ。やきとりやのおばちゃんがゆうとった。
この頃はええすずめが入らんようなったから、出すとこないやろ?ゆうて。
わし。等身大で尾頭付のあれはどうも苦手でしたけど、好きな人は、残念がっていましたなぁ。
なんでも、山の中で、穀類しか食っていない奴で飢えているぐらいでないと、食用にはならんらしい。
日本のすずめちゃんは、遠の昔からだめになっておって、手付かずの自然が残るアジアが輸入先やったらしいわ。
そこも近年は、発展で環境がおかしゅうなって、食えんすずめちゃんになったんやて。
雑食よってに、何でも食えるようになると、食われんようになって、そりゃええのかわるいのかちゅうことですわ。
人間にとってのええすずめはおらんなったけど、すずめちゃんにとっては褒めてもらわんでよろしいわな。
おばちゃんの嘆きは、すずめちゃんの喜びですわ。
すずめちゃんには、天敵が減って、住みやすい世の中んなったんかもしれまへんなぁ。
お。相変わらず、ちゅんちゅんゆうてかわいらしゅう啼いてはるわ。
なんや。わしにはこう聞こえます。
「私がかわったのちゃうちゅんねん。環境がかわったちゅんよ」と。