この植物は、名のとおりゆずりあいの生育生態を持っている。
跡継ぎの葉が出始めると、先代はきれいさっぱりと身を引くように落ちるのである。
であるから、病葉(わくらば)はない。
汝、病葉(わくらば)になる莫(なか)れ。
を地でいく植物である。
なんと、うらやましきかなの、生態よのう。
才覚、算用、始末が、商売の根本である。とかの井原西鶴はんももうしておる。
なかでも肝要は、後始末といわれる。
綺麗な後始末には綺麗で健康な葉がまた芽生える。
取りあうことよりも譲りあうことの美しさをこの植物は教えてくれている。