バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

小春日和で汗びっしょり

2012-02-05 09:20:32 | 川上犬
 久しぶりに日中10度を越え、風もない。こんな日は土手ラン日和。
 こう思っただけで、バンは門の前で足踏みしている。なんでわかるんだろう。

 車に乗ったバンは土手到着が待ちきれず,車内でも「はやく、はやく」ってはしゃぎまくる。遠征に連れて行くと大騒ぎするかつてのルイ、テツ、ケンシみたいで、子どもってこうだよねーって予想を裏切らないストレートな行動。
 さてそうして土手に到着。車から飛び出し一気に土手に駆け上がる、と。前方に犬を連れた人発見。こちらに向かって来る。遠目に見て,犬にリード付けてない。近づいて来ると,やはりリードなしであり、さらに先方はバンより大きいことが見てとれた。バンは基本的には犬好き。どいつとも遊びたがる。しかし先にケンカ売られたら、即買ってしまう。たいてい雄犬はケンカ売って来るから,この場合はこちらがじっと通り過ぎるのを待った方がいい。そうしてその飼い主と犬が通り過ぎるのを待っていると。飼い主のみが横までやって来た。犬は前方の草むらでじっとしている。横までやって来た飼い主に雄か雌かと確認すると,雌とのこと。じゃーまずだいじょうぶ。ケンカにはならない。するとその飼い主は「ウチのは臆病だからあすこで隠れているんですよ。先に行ってもらわないとずっとあすこにいますから」だって。匂いチェックに夢中なバンはその犬の存在に気づいていないみたいなので、草に身を隠す雌犬の脇を抜き足差し足で通り過ぎると、その犬は飼い主目指して一目散に逃げていった。飼い主はしゃがんで手を広げ,飛び込んできた犬を抱き上げてる。ふーん、そうなんだ、という気持ちになる。
 バンの匂いチェックも一通り落ち着いたところで,海から109キロの看板の地点まで来たので、ではここから落ち着いて2キロ程度ランニングしようと思う。111キロを目印にして折り返せば,4キロランになるからまずまず。そうやって500メートルほど走ったあたりで,背後から「ワン、ワン」と犬が2回吠えた。走りながら振り向くと,口元黒い茶犬がピッタリ後ろを追いかけてきていた。おもわず声を上げ,全速力でその距離をあける。この辺までくれば大丈夫だろうと振り向くと、追いかけるのを諦めきれない風の2匹の犬が、仁王立ちしてこちらを見ている。小石をいくつか拾い、戦闘態勢を構える。犬どもは一向に立去らない。このままでは車に戻れないではないですか。そこへ自転車二台がやって来た。あの自転車の間に入って走り抜ければ大丈夫か、と考えているうちに自転車は行ってしまい、またあたりはウチら以外は誰もいなくなってしまった。今日の状況はあの犬どもをかけ分けて車に戻るのは危険であると感じたので、土手を民家側に降り、一般道で迂回して車まで戻ることにした。この時点で、犬を連れてのサンボをしているのではなく、車に戻るために歩く人になってしまった。適当に方向定めバンと歩き続けると、用水路がその行く手を遮ったり、途中で道が畑になってしまったりで、スマホで位置確認しながら1時間近くかけ車に戻った。途中道なき道を行く。民家の脇をすりぬける。この辺りは犬を放し飼いにしていることもあるから、軒先から犬が飛び出してきてガブリとやられる危険だってある。気分よくこの小春日和を楽しむための散歩が、なんでこんなに身も心も疲れなきゃいけないんだ、とブツブツ思いながら歩く。事情を知っているのかどうなのか、くたびれ果てたバンは雪の上を選んで歩く。ようやく車が遠くに見え、人の気配のある道に出たころは汗びっしょり。
 車まで目と鼻の先となった最後の曲がり角、道ばたに犬がつながれている。でもこの犬は大丈夫。いつもそこを車で通る時に目にする犬で、もうこうやって何年もここにつながれていますって風で、実にしょぼくれている犬だ。あの犬は横を通り過ぎても、せいぜいくたびれた声で吠えるだけだろう。場合によっては気づかないかもしれない。余裕ーッと思いながらと追いすぎようとすると、突然、バンに気づいたその犬は鎖一杯の距離まで飛び出し吠えてきた。あのショボクレ犬の見違えるような活気あふれる姿。なんだか可笑しいのと、良かったという気持ちがないまぜ。
 車に到着し、左手に握りしめていた4個の小石を放った。疲れきったバンは、車の後ろで「はやく乗せて」と足踏みする。こういうところもRTKそっくり。