バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

指差し点検

2012-11-07 07:47:27 | バネ
 設問をよく読まないで解き、ミスを繰り返す子。こういう子には指なぞりを指導した。
 本読む時に指で文字をなぞる人がいるが、自分はそうやって読んだ経験はほとんどない。指でなぞりながら本読む、さらにはページをめくる時に指をペロってする。この行動がセットになっている高齢者をよく見かけるので、指をなぞるのは一世代前の人の行動パターンと思っていた。
 先日読んだ本で、指でなぞることにより文の内容が理解しやすくなると説明していたことに加え、最近行の折り返しでもたつくことがあったので、指なぞりをやってみた。こうすると行を飛ばしたり、同じ行を読むというもたつきは防げるので確かに読みやすい。高齢者が指なぞりする理由は、眼の問題がからんでいたということが判明。

 さて次は、何度も同じところでミスする子。そのミスを「ほら、また」と途中で指摘してもピンとこない子。昨日やった問題なのに、できない、だけでなくやったことさえも覚えていない子。こんな子に悩まされたが挙げ句、指差し点検を導入してみた。
 やるべきことを指差しながら口に出させる。作業内容を全て声に出して説明するよう促す。例えば、方程式の文章問題の場合、何をxにするかから始まり、式をたてるところ、さらには計算の仕方、最後に解の書き方まで、全ての作業を口で説明させる。ここまでやった後に解くとミスはまったくなかった。このやり方で日頃は解けない二次関数の応用問題にチャレンジした。説明があやふやなところは突っ込みを入れながら最後まで説明しきった後に解くと。正解した。

 さぼっているわけではないのに、テストの点数が伸びない子。勉強の仕方を確認すると、非効率作業を繰り返していることが判明。暗記したい複数の単語をノートに横に並べて書く。こんな風に書き出して何の意味があるのか。どれを覚えたのかチェックできない。こういう場合は縦に書きだすのだと説明。テキストに答えを直接書き込む。更に自己採点した際、正解を自分の書いた鉛筆字の上に赤ペンで書き込む。この作業に何の意味があるのか。自分のミスが見えない。鉛筆と重なるから、正解もよく見えない。更には反復練習できない。こういう場合は、正解は脇に書く。そして不正解は解き直す。

 当たり前と思っていたことを当たり前にやっていない。
 誰でもやっていると思っていた勉強法。口に出して言うほどではないと思っていた勉強法。
 一人一人の状況を指なぞりし、指差し点検し、口に出して説明、これを省略してはいけない。