バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

子どもの成長物語

2014-01-10 12:54:11 | バネ
 読むこと、書くことに特化したクラス、パンセ。
 今年度後半は「書くこと」のトレーニングを続けている。
 たいてい子どもたちは「作文、きらーい」っていうけど、今や原稿用紙3枚くらいはスラスラ書く。
 題材は今日あったこと、家族のこと、友達のこと。身近なネタを題材に書くことから始め、セリフだけでお話を作る練習、登場人物のキャラをたてる練習などを積み上げていった。そして2ヶ月間の構想、推敲を重ね、今月作文コンテストに挑戦する。題材は自由。フィクションもノンフィクションもOKというもの。
 生徒たちが挑戦するに適当なコンテストは2種類あった。原稿用紙5枚以内のものと、20枚~25枚のもの。子どもたちの意見を確認すると、5枚じゃたいしたこと書けないから20枚以上がいい!とまとまった。
 果たしてお話が作れるのか。20枚も書けるのか。「できない」、と全員が途中で投げ出す事を覚悟していた。無理しないで5枚にしておけば良かったかなとも思った。そんな私の不安をよそに、子どもたちはそれなりに書き始めている。最初に少々アドバイスをした。いきなり書き始めたら数枚でもたつくよ。最初に設定をしっかり決めよう。特に登場人物は大事。キャラは、名前は?書き出し、出来事、結末。ぶれないようにしっかり書き出しておこう。パッピーエンドにしてね。そして主人公の成長物語にしましょう。これらの注文をつけてから始めた。
 子どもたちは手書きだから挿入、移動が大変な作業である。もうここ何十年も手書きで文章作成することのない私から見ると、ふーってため息つきたくなるような書き込み方法。紙を張ったり、切ったりして移動している。
 そんなこんなで冬休み前にあらかた書き上げ、休み中に数回推敲し、そしていよいよ清書の段階にきた。

 完成に近いものを読ませてもらった。
 内容は知っている。主人公の挫折も、挑戦も、そして成長も。でも,読み直しながら感動してしまう。
 リアルな展開に、これって本当のこと?って聞くと。「フィクションですよ」って二ヤッてする子どもたち。
 フィクションっていうけど、主人公がどうしても作者そのものに思えて来る。主人公が動物になっていても、その子の顔が浮かんで来る。

 ちょっとの間に、子どもたちに抜かれてしまった。



いつもの景色

2014-01-10 08:52:03 | 感動
 流山に向かう道。田園地帯を通り抜ける道。
 ここを通るたび、自然の色に魅せられる。
 冬は特に美しい。長い陽射しが作る陰影。運転しながら頭の中で絵の具を置く。

 久しぶりに前の晩に雨が降った昨日は、その光景にハッとした。
 雨に洗われた枯れ草に東の日があたり,イエローオーカーの中からクリムソンレーキーが現れていた。まさに表面が流され、本来の色が出現したという感じ。心にしっくり来る景色に包まれている。
 山を見ると落ち着く。山に囲まれるとこの景色良いなと思う。360度山に囲まれて育ったから、当時は遠く見渡せる平原に憧れていた。だから初めて江戸川の土手に立った時感動した。まっすぐ伸びる道。吹き抜ける風。しかしその感動はたちまち薄らいでしまった。地平線に青く霞む雲を山と錯覚していることに気づいた時、景色に山がない不自然さを知ったのだった。どこまでも続く田園は単調な景色に思えた。
 しかし最近は変わってきた。山並みに入ると、山に囲まれる安堵感よりも、ここは土砂崩れしそうだなとか鉄砲水危なそうだな、湿気多そうだななどと冷めた目を持つ。そして、広がる田園地帯に安らぎを感じる自分がいる。