時間が無かったので、更新していませんでした。最近の作業を、まとめて書き込みです。
クーラントにエンジンオイルが混じる症状ですが、基本的に、冷却水通路は、エンジンオイルの通路と接している部分が少ないため、混じった場合は、Vバンク間のセパレーターの修理になります。ウォーターポンプについては、構造上、エンジンオイルのオイルシールとクーラントのメカニカルシールの間に空間が作られている為、どちらかが漏れても、混じらないようになっています。仮に、漏れた場合は、ポンプ下側に穴から漏れたオイルかクーラントが出てきます。この構造については、新型も同じです。ただ、新型は、排出用の穴が、下向きではなく、車体内向き側になっています。

セパレーター修理中です。

上からの画像です。左側が、エンジン左側です。一番左側の穴は、クランクケースに内部に繋がっています。2番目の穴は、クーラント通路で、前後の気筒(#1#2)のシリンダー周りのウォータージャケットに繋がっています。真ん中の部分はオイル関係で、左側に穴が開いていますが、クランクシャフトのオイル通路から立ち上がり、シリンダーヘッドへのオイル通路になっています。右側は、ブリーザー室で、ブリーザーパイプを通り、エアクリーナーボックスに繋がっています。右側の穴は、前後の気筒(#3#4)への冷却水通路で、一番右の大きな穴は、ウォーターポンプから圧送されてくる穴です。

セパレーターの内部ですが、オイル通路と冷却水通路がOリング(ガスケット)で分割されているだけなので、ガスケットが劣化すると漏れに繋がります。特に冷却水については、冷える際に体積が収縮するので、吸い込みます。この際に隣の部屋のオイルを吸い込むとクーラントにオイルが混じります。混じった場合は、オイルが上がってくるので、ラジエターキャップ裏に付着し、リザーバータンクに押し出されます。

ETC装着等も行なっています。今回は、カウルがあったので、念のため、メーター上に台座を装着し、その上に貼り付けています。台座は、防振の関係で硬質スポンジを整形しました。

エンジン組み直しの車両が入庫し、点検とオイル交換、キャブレター同調の上、フルタイムVブースト装着です。プラグの焼けは、まあまあ揃っているので、そのまま作業です。ちなみに吸気負圧補正が無い場合(吸入負圧が40mmhg以下の場合は、補正無。記事参照)は、1700回転から点火進角が始まりますが、同調が正確に取れていないと、フルタイム時に1700回転で、エンジン回転が維持できません。純正のVブースト機構が付いている場合は、メインキーオンで、Vブーストバルブが、全開全閉になるので、全開になった瞬間にメインキーをオフにし、Vブーストコントローラーのカプラーを抜き、エンジンを始動すれば、フルタイムですので、この状態で、1700回転をアクセル一定で、維持できなければ、同調がズレていると考えられます。(簡易同調チェックです)

個人的にも使用しているポッシュ製のイニシャルアジャスター(エアバルブ付)ですが、フォークスプリングを交換した場合に、イニシャルを掛けたり、抜いたり出来るように、中間でノーマルのイニシャルになるように、カラーをカットしますが、写真のように、純正のフタと比べて、下に出ている分の長さをカットします。カット量は、設定段数にも寄りますので、現物合わせです。
クロモリ製アクスルシャフトセットについては、再出品しています。