“ウイルス作成罪”とは

これは、コンピュータ・ウイルスの作成や配布を罪に問う刑法改正案の俗称です。

現行の法制下では、ウイルスの作成そのものを罰する法令は存在しません。ウイルスによる業務妨害や破壊行為は別です。が、現在、ウイルス作者や配布者を刑法犯とする刑法改正案が国会で審議中です。仮称で「不正指令電磁的記録作成罪」（第168条）と呼ばれます。

第168条の2第1項は「人の電子計算機における実行の用に供する目的で、次に掲げる電磁的記録その他の記録を作成し、又は提供した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する」のようになっています。ここでいう「記録」がウイルスに対応します。

この法案は、閣議で決定されているものの、国会の審議が4年に亘って継続され、未だに決着がついていないようです。

結局、ウイルス作成そのものは取り締まれない状況が続いています。