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「『夫の心が女になった』中国の学生達が性的少数者について考えたこと」No.2711

2019-12-04 22:11:51 | 人権

 南天と第8教学ビル。

 

昨年に続き、3年生は下の動画「夫の心が女になった」を観ながら、

LGBT、特にトランスジェンダーについて考えました。

動画の前半は、妻の京子さんの話を中心に進みます。

結婚30年、仲良くやってきた夫から、

突然「これからは女として生きたい」と告白されたときの驚きや悩み、

心の葛藤が語られた後、学生達に感想を聞くと、

男性一人を除く全員が顔が歪むほど強烈な拒絶反応を示し、

「なんて無責任な!京子さんを騙したんじゃないか」

と怒っていました。

しかし、「LGBTは好みや趣味、病気ではなく、自然なことだ」

と国連の世界保健機関が声明を出していること、

統計では13人に1人がLGBTであることなどを知り、

また、夫の猛志さんが自ら語る

トランスジェンダーを自覚したきっかけやその後の生き方を聞いて、

さらに、「ローズ」という女性になった猛志さんを周囲が認める様子を

動画で観て、

学生達の中には少し、変化があったようです。

先週、「小学校でLGBTについて教えるべきではない。何のメリットもない」

とある女子学生が発言したことを取り上げ、

今日は「小学校でLGBTについて教えるべきではない」というテーマに対して

《賛成》《反対》の立場で討論しました。

賛成派が述べたのは下のような理由です。

これを読んで50年前の日本社会を想起したのは私だけではありますまい。

(自民党の杉田水脈議員などは今も4や5を胸を張って言いそうですけどね)

 

《賛成》

1)小学生は考えが未熟なので、LGBT学習は性別観念が混乱しかねない。

2)男女の責任負担から逃れる方便になる。

3)LGBT学習は小学生の理解を超える。年齢にあった学習をするべきだ。

4)LGBTについて学べばLGBTになる人が増えて、それ以外の人が減り、従って、子どもが生まれなくなるので人類は絶滅しかねない。

5)LGBTについてはもちろん一般的な性教育も必要ない。大人になれば全て自然に分かることだ。

6)小学生にLGBTについて教えてもただ好奇心や興味をそそるだけで、教育的効果は得られない。中学生ぐらいならO.K.だ。

片や、反対派は……。

 

《反対》

1)子どもはすばらしい。小学生はローズさんを通してLGBTについての知識・理解を深めた。自分が知ったことを他の人に伝えれば偏見や差別を減らすことができる。

2)子ども自身がLGBTの場合、こうした授業によって不安や悩みを軽減することができる。

3)「他人を異様な目で見てはならない。人間はみんな平等だ」という観念をできるだけ早く持たせるために授業は役に立つ。私たちは受けてこなかったが、今、中国でも「ゆとり教育」が始まっており、自分と違う存在を認める学習をしている。

4)小学生は「人間はみんな平等だ」「他人は尊重するべきだ」などの社会常識が弱い。こうした授業をすれば、早く社会常識を身に着けさせられるので、正しい方向に導ける。

 

最初は顔を歪めて嫌がっていた女子学生たちから、

こんな声が出てくるとは、私は思っていませんでした。

実は、今日の討論はもっと悲惨な内容になると予想していたので、

私は自分に鞭打って前を向かせ、教室に行ったのです。

きっと猛志(ローズ)さんは、千倍もそうして生きてきたのでしょう。

動画は先週、皆にコピーを渡したので、

小学校での授業場面を何度も観た学生もいます。

幼いころから教えられてきた女や男のジェンダー観念に

がんじがらめの子も何人もいますが

クラスにすこ~し、風が吹いたのを感じた今日の討論でした。


ーー資料として下の動画を使いましたーー

目撃者f「夫の心が女になった~夫婦ってなんだろう~」 000


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