毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「風邪を引いて忌野清志郎を読む」 2014年9月27日(土)No.996

2014-09-27 20:10:32 | 

何なんでしょうね。

日本に戻ってから仕事もしていないというのに、

いつもバタバタと忙しい。

家に引きこもっている時にも、

(今日は洗濯して、スーパーでポイントゲットして…)などとあれこれ計画を立てている。

風邪を引いたときくらい、無目的的に本を読もうとベッドに持ち込んだうちの一冊が、

「瀕死の双六問屋」(忌野清志郎;小学館文庫)だ。

小説なんだかエッセイなんだか……。おそらくその混合体だろう。

清志郎さんの感受性が投影されている文と言葉が私はとても好きだ。

全四十三話のそれぞれに関連CDアルバムの紹介が付いている。

例えば、第五話「悪い星の下に」…YOUNG RASCALS『GROOVIN’』

第十五話「本当に必要なものだけが荷物だ」…OTIS REDDING&CARLA THOMAS『KING&QUEEN』など(どう関連しているかは、本を読んでね)。

彼の好きなミュージシャンの曲が、

私が自分の人生で選ぶともなく選んで聞いてきたのと

大いに重なっていることがまことに嬉しい。

 

今思えば、日本に戻る前、『COVERS』のCDを半ば無理やり厳先生にプレゼントしたが、

『SUMMER TIME BLUES』とか『サントワマミー』とか、

意味分かってくれたかちょっと心配だな。

ムズムズと付け足しの解説をしてあげたい気持ちが湧くが、

今さら余計なお世話というものだろうな。

 

本の中には、珠玉の名言が随所にある。

以前に湯川れい子さんが衆議院選挙のときのラジオ番組で忌野清志郎さんの

手紙を紹介されていたが、それもこの本の末尾にある。

(その手紙文は下の私のブログ[2012年12月16日]にも掲載↓)

http://blog.goo.ne.jp/bluehearts_10_11/e/bff293cc0cca2f43c1022d9ed38205aa

今日は次の言葉を、紹介させてもらう。

心からの共感を持って……。

―――――――――――――――――――――――――――

第二十三話『様々な制約と規制の中でがんばれ外資系の会社よ!』より

 ・・・俺は右翼かも知れないと思う。

丹下左膳のかっこうをして刀を差していると、そんな気にもなる。

志をつらぬくという気持ちを日本人が持っていたら、

すばらしい世界が来るんじゃないかと思う。

俺は右でも左でもかまわないんだ。

そんなことどーでもいいんだ。

右にどんどん行ってみろ。やがて左側に来ているのさ。

地球は丸いからね。

それよりも二人並んでいると、俺の右側は君の左側だったりもするのさ。

そんなことより俺は、人々の心の中に芯が一本通っていりゃいいんだ。

それが一番大切なことだと思っている。・・・・・・

 

関連CD『Little Screaming Revue 冬の十字架』(忌野清志郎) 

――――――――――――――――――――――――――――――

 ちょっとだけ付け足すと、このとき忌野清志郎はたいへんに怒っていたはずだ。

なにしろ自分の『冬の十字架』に「君が代」(パンク風アレンジ)が入っていたことで、

1999年、8月ポリドールから発売予定だったこのCDは発売中止になってしまったのだ。

清志郎は言う。

――――――――――――――――――――――――――――

俺たちの『冬の十字架』をぜひ君の店に置いてくれないか。

外資系のレコード店だってことは分かってるけど、なにもビクつく必要はないだろう。

大丈夫だよ。もう、法律で決まったことだ。

これからはどんなアレンジでも国歌を自由に歌えるようになったんだよ。

ここで敬遠のフォア・ボールはないだろう。

堂々と直球で勝負する場面だぜ。

外資系の会社って、そんなに日本では肩身が狭いのかい?

ポリドール君も外資系だけどね。

社長は、

「うちは外資系だから…、何しろ外資系なんでね…、その、つまり外資系なので…」

としか言わなかった。

そんなこと繰り返されたって俺には分かんねえよ。

いったい何のことを言っているんだい?

あんた日本人なんだろ、筋を通すってことくらい知ってるよな。

――――――――――――――――――――――――――――――――――― 

 

 

 

 

 

 

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