井上ひさしさん。2010年4月、75歳で亡くなってしまった。
自民党は丸山穂高議員(元維新)の辞職勧告決議案にも応じませんでした。
「(北方領土を)戦争で取り返すしかない」
この言葉を現職の国会議員が口にすることは
日本国憲法の三大原則のひとつ「平和主義」に反旗を翻すことであり、
まず、自分の身分が規定されている
第99条「国会議員等公務員は憲法尊重義務がある」にも叛くものです。
ただの地方公務員である教員が、
卒業式の「君が代斉唱」時に席を立たなかったぐらいで処罰されるのに、
(「君が代歌う時は立つ」の遵守義務は憲法に規定ないですよ)
わざわざ、「国会議員の憲法遵守義務」が項建てされている
憲法99条に違反している、
甚だしく道理から外れたことであるのにもかかわらず
なぜ、自民党は「戦争すべし」発言議員に辞職勧告を決議しなかったのか。
それは自分の身がアブナイからです。
(アベ総理大臣の発言は先日書きました)
さらに、参議院選挙対策で自民党は
「失言防止マニュアル」なるものを作り、
自党議員に配ったとのこと。
これは、マクドナルドのアルバイトに
「接客応対マニュアル(無難な言葉遣い)」を配るのと同じです。
確かに自民党には、麻生財務大臣をはじめ
それすらも必要な人がてんこ盛りいるのですが、
そもそも、そういう人間が国会議員になれるのが
間違っているのではないでしょうか。
一体、誰がこういう者を選挙で選んだのかが問題で、
私はその無責任行為に怒りを覚えます。
政治家の失言とは、
たんに「言葉遣い」や「切り取られた」問題ではありません。
その人の「信念」が国是=民主主義国家体制とずれている、
或いは、そもそも信念(深い考え)を持ち合わせていない、という問題です。
故井上ひさしさん曰く、
「政治家には文才がなくとも言葉に対する鋭い感覚は持って欲しい。
自己の信念を---もし幸いにしてそれを持ち合わせておいでならばですが---
国民に説明する、現在の状況を分析し、
その上で将来を予測し、その対応策を練る。
そしてこれらを全て言葉の仕事の最高位におくべきです。」と。
(井上ひさし著「日本語観察ノート」)
〈ふろく〉
自民党の失言:麻生太郎編(あまりにもたくさんあるので極ごく一部)
社会的「弱者」への視線の異常に冷たいこと、凍りつきます。
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*(福岡県で開かれた国政報告会で少子高齢化問題にふれ)「いかにも年寄りが悪いという変な野郎がいっぱいいるけど、間違っていますよ。子どもを産まなかったほうが問題なんだから。」
(その後発言の問題性を指摘され)「誤解があれば撤回」
*(マスコミに対して)「質問に乗ってまた言うと、それをまた挑発のネタにされる。そっち(メディア)の飯の種になるかもしれないが、こっちはそういうことにならないから。」
*「東京で美濃部革新都政が誕生したのは婦人が美濃部スマイルに投票したのであって、婦人に参政権を与えたのが最大の失敗だった。」
*「日本ほど安全で治安の良い国はない。ブサイクな人でも美人でも、夜中に平気で歩けるのだから。」
*(終末期医療について)「いいかげんに死にたいと思っても生きられる。しかも、政府のお金でやってもらうのは、ますます寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしないと。」
*(医療保険制度について)「たらたら飲んで、食べて、何もしない人(=患者)の分の金(=医療費)を何で私が払うんだ。」
*「金がないのに結婚はしない方がいい。稼ぎが全然なくて(結婚相手として)尊敬の対象になるかというと、なかなか難しい感じがする。」
*「新宿のホームレスも警察が補導して新宿区役所が経営している収容所に入れたら、『ここは飯がまずい』と言って出て行く。豊かな時代なんだって。ホームレスも糖尿病という時代ですから。」
*「ドイツのワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法 に変わっていた。誰も気が付かなかった。あの手口に学んだらどうか」その後「誤解を招く結果となったので、ナチス政権を例示 としてあげたことは撤回したい」(ブルーはーと:ナチス憲法なんぞない)
本当にこんな人たち(誰かさんが言いましたけれど)に、税金で報酬(しかも高額な)が払われていると思うとまたまた頭に血が上ります。
兎に角選挙で変えるしかありませんね。
今回、丸山穂高議員の「戦争発言」に対するネットでの批判はさすがに多いですが、丸山議員が野党攻撃でいくら酷いことを言ってもネットは騒ぎ立てませんでした。
多くの日本の人たちの傾向に、一つの流れができたらワーッと同調するというのがあって、これも良くないですよね……。批判は深く、冷静にしないと、すぐ訳がわからなくなり、また別の流れに飲み込まれますもんね。