犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

アスパラ缶

2024-01-25 22:08:09 | 食べる

写真:昔の缶切り

 言葉は生き物で、新しい言葉が生まれる一方で、使われなくなっていく言葉もある。用法が変わる場合もあります。

 言葉が死語になる理由も、いろいろです。

 もっともわかりやすいのは、モノそのものがなくなり、同時にそれを指す言葉も使われなくなるというもの。

 ラジカセは、使われなくなって久しい。レコードとか、ポケベルも。

 牛乳は紙パック入りが主流で、牛乳ビンは少なくなった。それに伴い、牛乳ビンのふたを開けるもの(栓抜き?)もなくなった。

 缶詰(缶入り飲料を含む)は今もありますが、缶切りはなくなった。

 缶切りがなくても開けられる方式(プルトップ?)が多くなったからです。

 たまに缶切りで開けなければならない缶詰を買ってくると、4人の娘たち(今30歳前後)は、うまく開けられなかったりする。コツが要りますからね。

 最近、なつかしい缶詰を買いました。

 アスパラガスの缶詰(プルトップ式)。



 私が子どもの頃(50年前)、アスパラガスといえば缶詰。

 家族7人中、3人(祖父母、伯母)が入れ歯だったので、この歯ごたえのないアスパラガスを、ありがたがって食べていました。

 その後、グリーンアスパラガスが出回るようになって、缶詰のやつはあまり食べなくなった。

 グリーンアスパラガスのほうが栄養素が豊富そうだし、おいしいからです(これは主観か)。

 今ではたんにアスパラガスといえばグリーンアスパラガスをさし、缶詰のほうを「ホワイトアスパラガス」などと言って、区別するらしい。

「これ、なんですか?」

「アスパラガスだよ」

フィリピン人のD(3女の夫、同居中)はグリーンアスパラガスしか知らないようでした。

「食べたことありません」

「マヨネーズかドレッシングをかけるといいよ」

「やわらかいですね。あまり味がないし…」

 どうも、あまり好きじゃないようです。

 それは私の妻も、娘も同じ。

 結局、ひと缶すべて、私が食べる羽目になりました。



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2 コメント

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今は無いもの (スンドゥブ)
2024-01-26 08:15:27
缶切りはもう何年も使っていませんね。
確かに、子供の頃はうまく使えませんでした。
ダイヤル式テレビが無くなってからずいぶん経ちますが、チャンネル回すは、今でもシニアでは思わず口から出てしまいます。意味が分かる若者もこれからは減るでしょうね。
電話のダイヤルも回すものでしたね。歌謡曲に出てきますね。
モノが無くなると、時間差で言葉もだんだん消滅して行きますが、ちょっと寂しい気もします。
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ピッピ、トークン (bosintang)
2024-01-30 17:46:03
韓国で、昔、ポケベルのことを「ピッピ」と言っていました。死語でしょう。市バスに乗るとき、「トークン」というバス専用コインを使っていましたが、これも交通カードに取って代わられました。若い人たちは知らないんじゃないかと思います。
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