著名なジャーナリストの趙甲済氏が、中央日報の「朴裕河インタビュー」を読んだ感想を書いているのを見つけたので、翻訳・紹介します(リンク)。
朴裕河教授、慰安婦の名誉毀損罪、祝うべきか、ねぎらうべきか
国際感覚を持つ朴教授が、韓国の国際的孤立の深刻さ指摘したことは、聞き流してよい話ではない。
『帝国の慰安婦』の著者、朴裕河教授が本書によって自分たちを「自発的売春婦」と言って名誉をひどく毀損した、と慰安婦出身のハルモニたちが告訴した刑事事件で、一審裁判所は無罪判決を下した。朴教授は判決後、中央日報のナム・ジョンホ記者とのインタビューで次のように語っている。
「現在、私たちはこんなことをしている場合ではない。韓国は深刻な危機的状況だ。本当に孤立している。日本はもちろん台湾も私たちを嫌っている。米国、中国も好意的ではないのではないか。経済も悪いが政治的孤立が本当に深刻だ。分裂があまりにも激しく、意味のないことにエネルギーを浪費している。私たちは自己主張が強すぎる。良く言えば我が強いということだが、考え方があまりにも硬直しており、反対意見は抹殺し、退けるべきと考えている。これは決して望ましいことではない。ある問題について争うのはいいが、この国では、その過程で消耗するものが多すぎる。何もしていない人間に対し、2年半も精神的、肉体的、さらに金銭面でこんなふうに損害を与えるというのは、あまりにも消耗的なことだ」
教授の上のような指摘は、ごく常識的な人々の考え方である。だが胸がすっきりしない。当然の無罪判決を祝わなければならないというのは、うら悲しい現実であり、青天の霹靂に遭った精神的、物質的な苦痛についてねぎらうというのも、これまたうら悲しい現実である。何の罪もない人を人民裁判にかける現実は、悲しくも恐ろしい。それさえも、まともな裁判官たちがそこにたまたま混じっていて幸いだったと考えるべきだろうが、はらはらする世の中である。この国が、なぜこんなふうになったのだろう。
洗濯をしていたところを捕まって日本軍慰安婦にされたとか、道を歩いていて連れ去られたというような強制連行はなかったと思われる。そのような強制連行を証明する、いかなる資料も見つかっていない。当時、慰安婦になった女性たちは、生まれる親を間違えたか、生まれる時代を間違えたか、どちらかだと見るのが妥当だろう。今も、日本や米国などへ体を売りに行く韓国の若い女性は多い。そして北朝鮮から逃れてきた人々の中には、韓国に来て体を売ることで生計を立てている女性が多いそうだ。この現実に目をつぶって、慰安婦出身のハルモニを前面に押し出し、日本を糾弾するのは偽善である。
国際感覚を持つ朴教授が、韓国の国際的孤立の深刻さ指摘したことは、聞き流してよい話ではない。人々は、朴教授のケースについて、「親日か反日か」ということにばかりこだわっている。私は、朴教授の「日本はもちろん台湾も私たちを嫌っている」という、この一言に背筋が寒くなる。このような趨勢が変わらなければ、この先、日本、台湾だけでなく、韓国を好きになる国はどこもなくなるだろう。私たちが「堕落した民主意識」と「排他的な慢心」という異常な症状を示し続ければ、韓国を羨んでいた後進国からは羨望の代わりに猜疑を、韓国に感心していた先進国からは感心の代わりに軽蔑を受けるようになるだろう。私は、自分の子供たちに、このような国を引き継いでいくのかと思うと恐ろしくなる。
趙甲済
1945年生。月刊朝鮮編集長などを経て、現在、〈趙甲済ドットコム〉代表
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