この地球は,周期的に寒冷な時期と温暖な時期が繰り返されているそうです。寒冷な時期を氷期(大規模なものは氷河時代),温暖な時期を間氷期といいます。
氷期には,海から蒸発した水分が雪として陸地に降り注ぎ,それが解けることなく積もり,氷河として蓄積されるため,だんだん海面が下がります。逆に間氷期には海面が上昇する。現在は「温暖化」が進みつつあり,海面上昇によって海抜の低い陸地は水没するおそれがあると心配されています。
海面が上下すると,暖かい時期には海で隔てられていた島が,陸につながったりする。日本列島は,氷期が来るたびにユーラシア大陸とくっついたり離れたりしていたと見られます。
しかしユーラシア大陸とオーストラリアの間には,相当に深い海がいくつかあって,あらゆる氷河時代を通して,陸続きにはならなかったらしい。そのため,オーストラリアとユーラシア大陸の動物相ははっきり異なっていて,その境界線は発見者の名前をとって,ウォーレスラインと呼ばれています。
ところが人間の場合,オーストラリアにはアボリジニーが住んでおり,彼らの祖先の遺跡が,4~5万年前にさかのぼる。そのため,アボリジニーの祖先は,その時代に,海を渡ったわけです。それも,数名の泳ぎの達人が泳ぎきったというレベルではなく,ある程度の集団移住が行われたはずです。船に乗って渡ったと考えるのが自然でしょう。
長らく,人類初の遠洋航海はアボリジニーの先祖,すなわちホモサピエンス(新人)によって行われたとされてきました。ジャワ島で化石が発見されたジャワ原人はジャワ島がユーラシア大陸と陸続きになったときに歩いて渡ったと考えられています。
ところが,2003年,フローレス島で見つかったヒトの化石(ホモ・フローレシエンシス)が,この定説をくつがえしました。フローレス島は,海面が最も低くなった時期においても少なくとも三つの海峡に隔てられ,最短でも19キロ離れていたというから,船なしに集団移動することは不可能です。そしてこのホモ・フローレシエンシスは骨格の特徴から原人段階のヒトと見られるのです。原人が船を作っていたとは考えにくいので,流木につかまって海を渡ったのかもしれません。
ヒトの代表的な特徴が道具を作ること。原人やそのあとの旧人は,石器に関するかぎり,ろくなものは作っていなかった。少なくとも,出土する石器としては非常に原始的なものばかり。
でも道具の素材は石だけではありません。おそらく,加工のしやすさからしても,石よりも木がより多く利用されたと思われます。しかし,残念ながら木は石と違って後世に残らない。土に埋もれると腐ってしまうからですね。
木でどんな道具を作ったのか。穴を掘るため,遠くのものを引き寄せるため,家を作るため,家具を作るため…。
船もその延長でつくられたんでしょう。木が水に浮くことには当然気づく。木にしがみつけば,泳ぐよりも楽に水上を進むことができる。何本かの木をつないで筏を作ったかもしれない。櫂や櫓を発明して川向こうに渡るようになったかもしれません。
少なくとも,船は最古の交通手段と思われます。
氷期には,海から蒸発した水分が雪として陸地に降り注ぎ,それが解けることなく積もり,氷河として蓄積されるため,だんだん海面が下がります。逆に間氷期には海面が上昇する。現在は「温暖化」が進みつつあり,海面上昇によって海抜の低い陸地は水没するおそれがあると心配されています。
海面が上下すると,暖かい時期には海で隔てられていた島が,陸につながったりする。日本列島は,氷期が来るたびにユーラシア大陸とくっついたり離れたりしていたと見られます。
しかしユーラシア大陸とオーストラリアの間には,相当に深い海がいくつかあって,あらゆる氷河時代を通して,陸続きにはならなかったらしい。そのため,オーストラリアとユーラシア大陸の動物相ははっきり異なっていて,その境界線は発見者の名前をとって,ウォーレスラインと呼ばれています。
ところが人間の場合,オーストラリアにはアボリジニーが住んでおり,彼らの祖先の遺跡が,4~5万年前にさかのぼる。そのため,アボリジニーの祖先は,その時代に,海を渡ったわけです。それも,数名の泳ぎの達人が泳ぎきったというレベルではなく,ある程度の集団移住が行われたはずです。船に乗って渡ったと考えるのが自然でしょう。
長らく,人類初の遠洋航海はアボリジニーの先祖,すなわちホモサピエンス(新人)によって行われたとされてきました。ジャワ島で化石が発見されたジャワ原人はジャワ島がユーラシア大陸と陸続きになったときに歩いて渡ったと考えられています。
ところが,2003年,フローレス島で見つかったヒトの化石(ホモ・フローレシエンシス)が,この定説をくつがえしました。フローレス島は,海面が最も低くなった時期においても少なくとも三つの海峡に隔てられ,最短でも19キロ離れていたというから,船なしに集団移動することは不可能です。そしてこのホモ・フローレシエンシスは骨格の特徴から原人段階のヒトと見られるのです。原人が船を作っていたとは考えにくいので,流木につかまって海を渡ったのかもしれません。
ヒトの代表的な特徴が道具を作ること。原人やそのあとの旧人は,石器に関するかぎり,ろくなものは作っていなかった。少なくとも,出土する石器としては非常に原始的なものばかり。
でも道具の素材は石だけではありません。おそらく,加工のしやすさからしても,石よりも木がより多く利用されたと思われます。しかし,残念ながら木は石と違って後世に残らない。土に埋もれると腐ってしまうからですね。
木でどんな道具を作ったのか。穴を掘るため,遠くのものを引き寄せるため,家を作るため,家具を作るため…。
船もその延長でつくられたんでしょう。木が水に浮くことには当然気づく。木にしがみつけば,泳ぐよりも楽に水上を進むことができる。何本かの木をつないで筏を作ったかもしれない。櫂や櫓を発明して川向こうに渡るようになったかもしれません。
少なくとも,船は最古の交通手段と思われます。
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