犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

人生いろいろ~大統領秘書官③ 

2007-05-04 00:17:24 | 人生いろいろ
 さて,私が陰ながら協力した「日本マンスリーレポート」も多少の役には立ったのか,李君,持ち前の行動力を発揮して秘書としての実績を積んでいきました。

 時は金泳三(YS)時代。

 YSは釜山の南,巨済島の出身。李君が仕えていた議員はYSの盟友というべき長老で,政界に隠然たる力をもっていた。

 ある日,先生の紹介で李君は「大統領秘書官」として取り立てられることに。まあ,大統領の秘書官というのは100人以上いて,そのうちの一人ですから大したことはない。でも,その後,ときどき新聞に「代弁人」(スポークスマン)として発言が載ったり,テレビに一瞬映ったりしていました。

 次は,国会議員出馬かと思っていた矢先,与党民自党(だったっけ?)に暗雲が立ち込めました。

 民主化以来,めきめき力をつけてきた市民団体が,国会議員選挙の直前,与党議員の過去の不正を暴くリストを発表した。そこに李君の先生の名前もあったんですね。

 先生は次期選挙に不出馬。

 そして選挙は,金大中率いる野党ナントカ党が圧勝しました。金泳三と金大中は民主化闘士として宿命のライバル。もともと金泳三の地盤の慶尚道と,金大中の地盤の全羅道は犬猿の仲として知られています。二人は93年の大統領選挙でも争いましたが,直前に金泳三が汚い手を使って当選し,一敗地に塗れた金大中にとって,金泳三は因縁の相手。

 それに加えて,突然襲ってきたIMF危機。YSは「国を破産させた大統領」として全国民から指弾され,続く大統領選挙では,ご存じの通り金大中が勝利しました。

 まず国会議員に当選してから,いずれ大統領を目指すという李君の野望は頓挫してしまったのです。

 李君,仕方なく下野し,ある日本企業のソウル支社長に納まりました。

 その後,李君のお兄さんが私に対して不義理を働いた事件などもあって,関係は疎遠になっていきました。

 今も,名節(旧正月/秋夕)には携帯電話の文字メッセージで型通りの挨拶文が送られてきますが,返信はしません。

 今年は5年に一度の大統領選挙。ハンナラ党が優勢なので,釜山を地盤にする李君にとって捲土重来のチャンスかもしれません。

「ヘンニム,選挙に出るので1000万円出してください。約束したでしょ!」

なんて言ってこないだろうなあ。

コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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梅雨に入りました (沖ひかり)
2007-06-22 14:01:35
日本マンスリーレポートってぐぐってもでてこず、一番に出てくるのがこのブログになっています。何なのでしょうか、お教えください。
前にお書きになられたのでしょうか。ちょこちょこさかのぼって読んでいるのですがなかなか追いつかなくて。
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わかりました (沖ひかり)
2007-06-22 22:17:15
上記コメントですが、2を読んだらわかりました。
すいません、少しずつ読んでいますので。。。
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梅雨 (犬鍋)
2007-06-23 07:06:35
最近、雨が降ると酒が飲みたくなります。

もうほとんど韓国人です。

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