ミャンマー語でおいしいことを、サーロカウンデーといいます。
これは一語ではなく、サーが「食べる」、ロが「~するのに」、カウンデーは「よい」。直訳すれば、「食べるのによい」という意味の複合語です。
別の表現もあって、アヤァーダーカウンデー。こちらは、アヤァーダーが「味」。直訳では、「味がよい」となります。
一方、韓国語は、マシッタ。これは、直訳すると「味がある」という意味で、やはり複合語。
ミャンマー語のサーロカウンデーには、不便なところがあって、飲み物には使えないこと。飲み物を肯定的に評価するときは、タウッロカウンデー(飲むのによい)と言わなければなりません。
サーロカウンデーの反対語は、サーロマカウンブー(食べるのによくない)で、やはり一語ではありません。
「おいしい」を一語で表す言語は多くないのかといえば、英語にはデリシャスがあり、フランス語やスペイン語にもデリシャスと語源を一にする同系統の言葉があります。しかし、実際には、「いい」という意味の「グッド」や「ビヤン」、「ブエノ」を使うことが多いんじゃないでしょうか。
日本語にも、おいしい以外に、男性がよくつかう「うまい」があり、若者用語の「ヤバい」がありますが、おいしいは老若男女の区別なく、圧倒的に普及している言葉です。
おいしいと思ったときに、英語のように「いい」で代用することはほとんどありません。
もう一つ、味に対する肯定的評価を、専用の一語で表す言葉がありました。
タイ語です。
アロイ
しかし、まずいときはアロイを否定して、マイアロイと言うほかありません。
韓国語のまずいは、マドプタ。「味がない」という意味です。
日本語に、おいしい、まずいを一語で表す専用の言葉があるからといって、日本語が優れているわけでも、日本人の味覚が繊細なわけでもありませんが、日本語の語彙が多くて、外国人が学ぶのが大変だ、ということは言えるかもしれません。
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日本語でも「舌鼓を打つ」とか「ほっぺが落っこちる」とか「舌がとろける」とか、二語表現もありますね。
一語だと「いける」というのもあります。
最近では音位転換して「まいうー」と言うのも聞きますね。
日本語では湯と水を区別するのに英語で水はウオーター、お湯はボイルドウオーター(沸かした水)ですもんね。
英語では同じ馬でもホース(大人の馬)とポニー(子馬)とか、牛でもカウ(牝牛)とオックス(雄牛)の区別など、日本語にはない区別がありますよね。
農耕民族や騎馬民族など、その民族の生活や文化と密着した言葉は語彙が多くなるのかも知れません。
改めて調べると、おいしいは「いしい」という言葉に「お」をつけた女性の言葉だったようです。
「うまい」が普通の言葉だったのが、おいしいを男も使うようになってから、うまいが男性の使うぞんざいな言葉とみなされるようになったそうです。
韓国語のムルは、温度のニュアンスを含まないので、熱いのもムル。
日本語の水はチャンムル(冷たい水)、お湯はトウンムル(熱い水)と言わなければなりません。
タイ語では、象の鼻を表す特別な一語があったはずです。