犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

辞典さまざま

2008-01-09 00:03:08 | 辞書の話
 辞書という言葉,韓国では使いません。

 辞典(サジョン)といいますね。

 もちろん日本にも辞典という言葉があって,書名はたいてい「~辞典」となっているけれども,日常的には「辞典を引く」よりは「辞書を引く」と言うのではないでしょうか。

 新明解国語辞典で,「辞典」の項を引くと,

じてん【辞典】「辞書」の改まった言い方 

となっていることを見ても,一般的な言い方が「辞書」であることがわかります。

 韓国語で「辞書」と言わないのは,「辞書」だと「サソ」になって,「史書」(サソ)と同音異義語になるからかもしれません。

 逆に日本語では,「ジテン」というと
辞典」(言葉を調べる)なのか
事典」(事項を調べる)なのか
字典」(漢字を調べる)なのか
あいまいだから,「ジショ」のほうを好むのかもしれません。
 ちなみに出版業界では,辞典,事典,字典を区別するために,それぞれ「コトバテン」「コトテン」「モジテン」などと言う場合があります。

 世の中にはさまざまな辞典があります。

 国語辞典,外国語辞典,外来語辞典…。また大きさ(語数)もいろいろで,大型,中型,小型があり,最近は「電子辞書」も一般化してきました。

 ここで,ビアスの『悪魔の辞典』のパロディ版,別役実『当世 悪魔の辞典』(王国社)で「辞典」を引くと


じてん【辞典】
老眼の者が老眼鏡を忘れて辞典を持っている場合、それはただ「重い」というだけのものである。


 でも,最近の電子辞書の場合,老眼の人のために表示される文字の大きさを大きくできるうえに,そもそも重くない。

 上の「悪魔の辞典」はもはや「当世」を謳えなくなったようです。

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2 コメント

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辞書と聞くと (ちあらび)
2008-01-10 18:07:22
コメント書きたくなってしまいます。
どういう習性なのか(^^;)
辞書は奥深いですね。
返信する
辞書 (犬鍋)
2008-01-13 01:18:11
でも,もう辞書は作りたくないでしょう?
返信する

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