犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

バッハザールの夕べ

2023-11-13 23:02:42 | 日々の暮らし(2021.2~)

写真:武蔵野音大入間キャンパス バッハザール

 ひと月ほど前、入間市管弦楽団という市民オーケストラの演奏会に行きました。

 例によって、妻の友だちからのお誘いです。ご主人がその管弦楽団の一員としてチェロを弾いているのです。

「あれ? 半年ぐらい前にも行ったよね。年に2回も演奏会するの?」

「別の楽団に移ったらしいよ」

 確かに今年2月に聴きにいったときは東村山交響楽団でした。

音楽鑑賞

 場所はバッハザールというコンサートホール。

 武蔵野音楽大学の敷地内にあるホールです。

 武蔵野音大は、2つキャンパスがあって、こちらは入間市(最寄り駅は仏子)にあるほう。数年前にこのキャンパスは廃校になり、ホールと幼稚園だけが残っています。理由はよくわかりませんが、少子化が進むおりから、郊外にあるキャンパスは生徒を集めにくいといことがあるのかもしれません。

 実は、この幼稚園には思い出があります。

 今住んでいる飯能市に来る前、私たち家族は仏子に住んでいて、武蔵野幼稚園は最寄りの幼稚園だったので、私の娘のうち上の二人がこの幼稚園にお世話になったのです。

 園児たちはいろいろな楽器に触れさせてもらい、バイオリンが必須でした。

 もしかしたら、このバッハザールで卒業発表会みたいなことをやらせてもらったような気もしますが、なにしろ30年ぐらい前のことなので、よく覚えていません。

 当日の曲目は、ウェーバーの歌劇「魔弾の射手」序曲、ハイドン交響曲第104番「ロンドン」、ドヴォルザーク交響曲第8番。

 指揮者は松村詩史という若手。

 駐車場が一杯になるといけないと思い、開演の1時間近く前に行きました。

 ホールは「バッハザール」という名前にふさわしく、正面に立派なパイプオルガンが設置されていました。バロック音楽などの演奏も多かったのでしょう。

 中段の通路のあたりに座りました。

 私たち夫婦のすぐ前、通路の最前列は「来賓席」になっていました。

 開演の15分ほど前に、「来賓」たちが続々とやってきました。男性が多く、みな背広を着ていました。みな顔見知りらしく、お互いに挨拶を交わしています。

 あとでわかったのですが、この人たちは今の市長、前市長、元市長、市議会議員、教育委員会委員など、市の政治家や公務員などでした。

 主催が入間市管弦楽団と入間市教育委員会の共催、後援が入間市なので、市のお偉方が招かれたようです。

 開演前に、教育委員会の委員長という人が壇上で挨拶しました。

 お祝いを述べた後に、来賓が紹介されました。

 肩書と名前が呼ばれると、私たちの前に居並ぶ来賓たちが、「はい!」と元気よく返事をして、大きな声であらためて自分の名を名乗り、四方の「市民たち」に深々とお辞儀をしていました。

 歴代市長の次に挨拶したのが国会(衆議院)議員でした。ポスターで見たことのある顔です。

 議員の人たちにとって、この挨拶こそが演奏会の「メインイベント」だったのでしょう。

「音楽を愛し、市の文化発展を応援する知的な人物」というアピールです。

 最初のウェーバーの1曲(約15分)が終わると、まず最初に国会議員が退席しました。

 そして、二曲目のハイドンが終わって20分の休憩時間には、議員さんたちの大半が会場を後にしました。

 もともとクラシック音楽に興味がないのか、そんなものを聴いている暇がないほど忙しいのか、どちらかでしょう、

 残ったのは暇そうな前・元市長に、教育委員会の数人でした。

 おかげでメインのドヴォルザークは、前の視界が開けて、気分よく鑑賞することができました。

 「交響曲第8番」はかなりの難曲のはずですが、一生懸命練習したのでしょう、市民楽団として高水準の演奏だったと思います。(ホールの音響がよかったということもあるでしょうが)。

 来年の演奏会も楽しみです。

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