犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

「ドゥル」の用法

2008-10-03 01:00:25 | 韓国語教室
 最近,わが家のテレビで韓国ドラマが流れていることが多い。

 韓国ドラマファンの妻が,スカパーに加入しているからです。金持ちの男性(または女性)と貧乏な女性(または男性)の葛藤,恋仲になった二人が兄妹だったことがわかったり,突然記憶喪失になったり…。

 どこかで聞いたような筋が頻繁に現れるので,思わず吹き出してしまうのですが,それを承知で見るとけっこう面白い。私にとっては,衰えつつある韓国語力を維持するという目的もあります。

 先日,ドラマを見ていて気づいた表現に,

テグンドゥルハジャ

というのがあった。職場の上司が,「みんな帰ろう」と言った場面です。

退勤ドゥルしよう

 退勤という言葉自体,日本では使いませんね。出勤は使うのに退勤は使わない。出社/退社というペアはあるが,退社というと会社を辞めたと誤解される恐れもあるので,帰宅というのでしょうか。

 問題は,その直後の「ドゥル」です。これは複数を表す語尾。「同僚たち」の「たち」にあたる言葉です。

 日本語の「たち」は使い道が限られている(猿たちとか,本たちとは言えない)。けれども,韓国語のドゥルは動物にも植物にも事物にも自由に付けて,複数を表すことができます。

 それだけではない。文の中のどれか一つの要素につけて,「みんなで」という意味を加えることができます。

 お疲れさまは,ふつう「スゴハセヨ」と言うのですが,残る人が複数の場合,

「(みなさん)お疲れさま」

の意味を込めて,

スゴドゥルハセヨ

と言ったりする。
 先程の「退勤ドゥルハジャ」も,「さあ,みんなもう帰ろうよ」という意味が込められていたのですね。外国人にはなかなか使いこなせない表現です。

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