図版:ジャマイカの国旗
少し前の記事で、英語力の国家順位を紹介しました。
EF EPIの指標です。
この順位には、アメリカやイギリスが含まれていません。
日本人が日本語能力試験を受けないように、英語圏の人々もこのテストを受けないんでしょう。
でも、一口に「英語圏」といっても、いろいろある。
ウィキペディアによれば、英語圏は次のように定義されています。
英語圏:公用語や国語に英語が定められている、もしくはそこに住む人々の主に話す言語が英語である国・地域の総称。
記事後半には、「英語が公用語・国語の地位にある国・地域」の一覧表があります。数えてみると、70か国以上。EUも英語を公用語としていますが、フランスやイタリアを「英語圏」という人はいないでしょう。
英語圏は、英語を公用語にしている「英語公用語圏」と、英語を母語にしている人が多い「英語母語圏」に分けて考えるほうがよさそうです。
辞書(三省堂国語)の定義は、
国語:その国で標準的な言語として認められている言語、
公用語:いくつかの言語が行われている国で、公の場で使うことが認められている言語、
母語:生まれ育った場所で、自然に覚えたことば〔国の場合は母国語ともいう〕。
では、英語母語圏とは具体的にはどこか。
アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなどが思い浮かびます。
ウィキペディアには「国別英語話者数ランキング」という項があります。それによると、英語を母語とする人、英語を話す人の比率の高い国は…、
なんと、英語母語話者の比率が最も高いのは、ジャマイカなのでした。
英語母語話者率が50%を超える国を、英語母語圏と呼んでさしつかえないでしょう。
英語母語話者率が高いのは、かつてイギリスが、19世紀後半以降はアメリカが植民地として支配していた国々です。
アメリカは80%、オーストラリアは70%、カナダが53%と、意外に低い。
アメリカとオーストラリアは現在でも積極的に移民を受け入れており、移民は英語以外を母語としている人が多いからと思われます。
カナダが低いのは、移民以外に、ケベック州という「フランス語圏」があるからと思われます。
アイルランドは93%で高いですが、アイルランドでは、もともとアイルランド語(ゲール語)が話されていました。しかし、英国によって120年間も植民地支配を受けたため、アイルランド語は衰退し、ほとんどの人が英語を母語にしています。
独立後、「民族の言葉を忘れないように」するために、アイルランド語が「第一公用語」に定められ、学校教育でもアイルランド語を必修化していますが、アイルランド語を「母語」とする人は増えていないようです。
ジャマイカをはじめとする中南米諸国は、現地住民が感染症などで激減し、アフリカから来た黒人奴隷の比率が高い。そして、宗主国の言葉、すなわち英語を母語にしています。
「英連邦」を構成している国の中で、英語力が高いというイメージのあるシンガポールの「英語母語話者比率」はたったの13%、南アフリカは8%、インドにいたっては0%なんですね。
EF EPIで上位に並ぶオランダや北欧諸国は英語話者比率は90%に近いけれども母語話者比率は0%。英語を外国語として学んでいるわけです。
アメリカとオーストラリアは現在でも積極的に移民を受け入れており、移民は英語以外を母語としている人が多いからと思われます。
カナダが低いのは、移民以外に、ケベック州という「フランス語圏」があるからと思われます。
アイルランドは93%で高いですが、アイルランドでは、もともとアイルランド語(ゲール語)が話されていました。しかし、英国によって120年間も植民地支配を受けたため、アイルランド語は衰退し、ほとんどの人が英語を母語にしています。
独立後、「民族の言葉を忘れないように」するために、アイルランド語が「第一公用語」に定められ、学校教育でもアイルランド語を必修化していますが、アイルランド語を「母語」とする人は増えていないようです。
ジャマイカをはじめとする中南米諸国は、現地住民が感染症などで激減し、アフリカから来た黒人奴隷の比率が高い。そして、宗主国の言葉、すなわち英語を母語にしています。
「英連邦」を構成している国の中で、英語力が高いというイメージのあるシンガポールの「英語母語話者比率」はたったの13%、南アフリカは8%、インドにいたっては0%なんですね。
EF EPIで上位に並ぶオランダや北欧諸国は英語話者比率は90%に近いけれども母語話者比率は0%。英語を外国語として学んでいるわけです。
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