ミャンマー語の先生の息子さんは、昨年の12月に来日し、アルバイトを探していましたが、知り合いのミャンマー人の紹介で、なんとか見つかりそうだという話を聞いていました。
「息子さんは、アルバイト始めたんですか」
「はい、日本橋の天ぷら屋さんで働いています」
「天ぷら、揚げたりするんですか」
「まだ、それはやらせてもらえません。もっぱら、海老の殻を剥いたり、いろんなおかずを弁当に詰めたり…」
「豚肉もあるんですか」
「いえ、お弁当にも、まかない料理にも豚肉はいっさいなし。ラッキーでした」
実は、先生も息子さんもミャンマー人にしては珍しくムスリム。豚肉か戒律で食べることができません。
「おととい、初めての給料が出たんだそうです」
「じゃ、何かお母さんに買ってくれたでしょう」
「それが何も買ってくれないんですよ。全部貯金するって」
先生は、日本政府の国費留学生。息子さんは、家族帯同ビザで入国しました。博士課程はあと2年なので、2年間は家族ビザで日本にいられます。
でも、その先はお母さんが帰国しちゃうので、自分で就学ビザをとらないといけない。そのためには大学か専門学校に合格し、学費を払わなければならない。奨学金がなければ、約70万円のお金が必要になります。息子さんは、それに備えてせっせと貯金しようということのようです。エライですね。
ミャンマーの高等教育事情を聞いてみると、ミャンマーの大学はすべて国立。授業は安くて、年間1万円!
一方、ミャンマー人の給与水準は、労働者が月8000円、ホワイトカラーが1万円、エンジニアなど専門職が2万円ぐらいだとか。普通の人の一カ月分の給料で、大学の年間の学費が賄えるようです。
ただ、大学で使う教科書は、大学の先生が自分の本をコピーして授業のたびに生徒に売る。それが一回20円ぐらいだとか。著作権なんて、関係ないんでしょうね。
それにしても、月収1万円のミャンマー人が、渡航費を含め100万円ぐらいかけて日本に私費留学するというのは、たいへんなことです。賄賂をふんだんにもらう政府高官の息子かなんかじゃないと無理。
日本政府が出す政府留学生なら、渡航費も学費も生活費も出してくれますが、人数の枠があって、年間20人だけ。そんな狭き門を通ってきたのだから、私の先生は大したものです。
最新の画像[もっと見る]
- 中国人女性と読む東野圭吾 1日前
- 李春植さん、逝去 1日前
- 新年の罰をたくさん受けてください 4日前
- 新年の罰をたくさん受けてください 4日前
- 朴裕河名誉教授の法廷闘争 1週間前
- 性上納・性接待 1週間前
- 反射利益 2週間前
- 法官ショッピング? 2週間前
- 内乱首魁は日帝残滓 2週間前
- 尹大統領の国民向けメッセージ(全文) 2週間前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます