外国人参政権

図版出典：時事通信

「Aが選挙で投票するのを楽しみにしてたんだけど、できないとわかってがっかりしてた」

　Aというのは、四女の夫。スウェーデン人です。

「スウェーデンは交換留学生でも投票できるんだよ」

「ほんと？　国政選挙も？」

　４女は交換留学生としてスウェーデンに留学したことがあります。そのとき今の夫と知り合ったのです。

　調べてみると、スウェーデンで外国人の参政権が認められているのは、地方参政権のみ。国政選挙は不可でした。

　さらに地方参政権の場合も、EU加盟国とそれ以外で違いがあり、EU加盟国以外の国の人は、３年以上居住していなければならない。したがって、１年程度の日本人交換留学生は不可です。

　国政選挙の参政権を外国人に認めているのは、以下。

イギリス（英連邦諸国、アイルランド）
アイルランド（イギリスのみ、大統領選挙は除く）
バルバドス（英連邦諸国、３年以上居住）
ベリーズ（ 英連邦諸国、１年以上居住）
ニュージーランド（すべての国、１年以上居住）
ブラジル（すべての国、５年以上居住）
チリ（すべての国、５年以上居住）
ウルグアイ（すべての国、１５年以上居住）
マラウイ（すべての国、７年以上居住）

　地方参政権の場合、選挙権を特定の国に認めているのが13か国、全外国人に認めているのが26か国だそうです。

　日本でときどき話題になるのが、特別永住者の在日コリアンの地方参政権ですね。

　私はかつて韓国に11年居住し、高額の税金を払っていました。韓国もまた外国人に参政権を認めていませんでしたが、私は韓国で投票したいとは思いませんでした。

　在日コリアンはずっと日本に暮らしている人たちなので、私のような商用での滞在者とは違います。

　でも、これからもずっと日本で暮らすなら、帰化すれば地方だけでなく国政参政権も得られます。

　地方参政権だけ得ても、あまり意味がないと思うんですが。

　今回、コリア系の候補者キムテヨン（比例区、れいわ新選組）、白眞勲（比例区、立憲民主党）は、どちらも次点で落選。

　かつて、自民党の衆議院議員に新井将敬がいました。彼は在日朝鮮人から帰化したコリア系日本人。私が住んでいた選挙区で、ご近所だったこともあり、毎回彼に投票していましたが、証券スキャンダルのあと、非業の死をとげました。

　新井氏は自分の出自を進んで公にすることはありませんでしたが、キムテヨン氏も白眞勲氏も名前からわかるように、出自を隠していません。むしろ在日コリアンとして、地方参政権獲得を目指すことを公言しています。

　時代が変わったということでしょう。