犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

SAの楽しみ

2008-01-06 16:38:37 | 日々の暮らし(帰任以後、~2015.4)
 年末年始,東京~島根間往復約2000キロを走破しました。

 韓国駐在中は免許が失効していて,車の運転はまったくしなかった。帰任してからも高速道路に乗って遠出をする機会はなく,こんなドライブは10数年ぶりです。

 周囲の人々から「無謀だ」と言われつつ,レンタカーを借りて長距離ドライブを敢行しました。幸い,今回は休みの期間が長かったので,混雑も分散されたのでしょう。ひどい渋滞には合わず,スムーズに走れました。

 実は,私,大学時代にGTC(グランド・ツーリング・クラブ)という軟派なサークルに入っていて,よくドライブをしたものでした。
 当時の愛車はTE71カローラセダン。形こそ4ドアセダンですが,1600ツインカムエンジンを搭載したスポーツタイプで,ラリーで活躍していた車でした。ほかのメンバーの車は,いすゞ117クーペ,初代シルビア,初代セリカGT(ダルマ),ブルーバードSSSターボ,スカG(ケンメリ,ただしGTじゃなくてGL)…。なつかしい車名がならびます。

 カーステレオからはサザン,ユーミン,達郎などのテープが流れる…。青春の思い出です。東名高速の足柄とか,中央の談合坂といったSA(サービス・エリア)などは待ち合わせ場所としてよく使ったものです。

 今回,長距離運転ということもあって,ほとんどのSAに立ち寄り,休憩したり飲食したりしました。どこも昔とはずいぶん違って,トイレもきれいになり,施設の充実が著しい。ドッグランを備えたSAもありました。わが家の愛犬はワンワンホテルに監禁状態。連れてきてやればよかったなあ。

 各SAで売っている名物料理やお土産も,見ているだけで楽しい。

 名神の西宮名塩SAで食べたたこ焼きは,さすが大阪という味を出していました。スナック菓子の「ご当地もの」も楽しめる。名古屋の味噌味ばかうけに,信州の野沢菜わさびマヨネーズばかうけもよかった。

 帰りの中央高速は,好天に恵まれたこともあって,諏訪湖SAからのアルプスの山々や,甲府あたりからの,夕焼け富士が素晴らしかった。


 韓国でも,長距離バスで高速を使ったとき,SAでトイレ休憩をしましたが,どこのSAもそんなに代わり映えがしなかった記憶があります。

 もともと,韓国の地方は,独自性に乏しい。

 地方ごとに気候も違えば,産物も違うのですから,その地方ならではの名産品があってよさそうなものですが,産業として成熟するまでに至っていないようです。

 これについて,日本は長い幕藩体制の中で,各藩が地域の産業を振興し,特産品の育成に力を入れた結果,伝統的な名産品が今に残っている。ところが,韓国の場合,中央集権体制だったため,中央から派遣されて3~4年の任期でまたソウルに帰っていく官吏たちは,その短い期間に収奪できるだけ収奪しようとし,長期的な産業振興などにはまったく関心がなかった。このような歴史的背景が,地域の特産物の不毛を招いたのだという説を聞いたことがあります。

 実際,ソウルへの一極集中は深刻で,人口の集中度合いは東京以上。全人口の4分の1が首都圏に集中している。地方の大学には人気がなく,若者は高校を卒業すると,誰もがソウルを目指す。

 人も産業も文化もソウル一極集中です。

 新しい李明博大統領が,この一極集中問題を解消できるのか,手腕が試されます。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 新春日韓食対決⑤~蟹 | トップ | 看板掛け替え »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
激しく同感です (玉露@東京)
2008-01-07 21:10:37
こんにちは。

> 地方ごとに気候も違えば,産物も違うのですから,その地方ならではの名産品があってよさそうなものですが,産業として成熟するまでに至っていないようです。

この一文、激しく同感してしまいました。
韓国では地方に行く機会が何度かあったのですが、屋台で売っている物やお土産がソウルと大して変わらず、何も買わずに戻ることがありました。なんというか、どこに行っても変わり映えしないという印象もありました。
なぜだろうと疑問に思っていたのですが、理由がちゃんとあったんですね。
返信する
景観 (犬鍋)
2008-01-08 22:35:29
電車に乗って,車窓の景色を見ても代わり映えがしない。

どこも松だらけだし。

全羅道に行ったとき,山が見えないほど広い平野(湖南平野)がちょっと珍しかったくらいかなあ。

全州のビビンバも,ソウルで食べるのと大差なかった。
返信する

コメントを投稿

日々の暮らし(帰任以後、~2015.4)」カテゴリの最新記事