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Brugge Style
lost in translation
遅ればせながら見た。ソフィア・コッポラ監督作品。
近頃、外国でポジティヴに生活なさっている方のお話を伺ったり、元気なHPやエッセイを拝見することが多かったので、みなさんこの映画の主人公のような気持ちになることはないのだろうか、と思いながら見た。
子どもの頃からどこへ行っても一種の疎外感を味わうわたしにとっては「主人公に感情移入してしまう」久々の映画だった。
この疎外感は集団に対するというよりも自分自身に対する疎外感である。自分自身のことが一番分からない。
オハナシ的には簡単に言えば、おぼこなインテリ娘と窓際中年男の「カルチャーショック+自分探し譚(by齋藤美奈子風)」なのであるが。
筋的にイギリス映画「インドへの道」現代版と言ったところか。
ところでこの映画を見た外国人は、やたらと東京文化の独特さについて取り立てるのであるが、わたしはこの映画のフォーカスは東京の珍奇な風俗にあるのではないと思う。
自分が自分の人生でLOSTした時、つまり、今までの自分のやり方や常識や価値観が通用しない場所において、別の適切なやり方を選択し、自分が「何を探しているのか」分からないものを探し当てる、ということにあるのだと思う。
こういう映画に賞候補が殺到するとは、アメリカの観客も成長したものである。
自信たっぷりのアメリカも自分を失っていることに気づいたのかも...
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