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Brugge Style
薔薇のアダージョ the sleeping beauty
昨夜、金曜日の夜は、今年ロイヤル・バレエの『眠れる森の美女』がYouTube放送された。
今年1月に収録されたもので、主役のオーロラ姫としては、当シーズン、オーロラ姫デヴューされた金子扶生さん。
わたしは当シーズンの『眠れる森の美女』だけで6回見に行ったものの、金子さんの回は観なかったため、このチャンスを心待ちにしていた。
日本人というくくりだけで親近感を感じることには何の根拠もないが、世界においては日本人バレエダンサーの活躍には目を見張るものがある。
そのほか、「日本人」が活躍しているジャンルとして簡単に思いつくのは料理界、特にパティシエで、昨今ではパリのいいレストランでは日本人の料理人が引く手数多、とても多い。
もうひとつ挙げるとすれば研究者。例えば新型コロナウイルス禍のTwitterの発言などで目立っている科学者の方々。
......
『眠れる森の美女』の話をしよう。
金子さんのオーロラ姫、ああ、美しかった!
日本人女性ダンサーは、舞台上で透明感があり、清潔で品のある人が多く、金子さんの生まれながらの姫ぶりはオーロラ姫役にぴったりだと思った。恵まれた姿形の全方向的な美しさ。特に腕の美しさよ。
オーロラ姫初々しさ、夢のシーンの優雅さと色香。
ポーズの美しさとバランスの強さ。
オーロラ姫、最初の登場からローズ・アダージョのシーンは、張り詰めた感じが大画面から伝わってき(こちらの収録はもともと生中継で世界に配信されたもので、彼女はLauren Cuthbertsonの代わりに大舞台に立ったのである!)、スタミナが続くのだろうかとこちらまでドキドキさせられた...
そんな状況で、ローズ・アダージョを踊る4人の求婚者・外国の王子、中でもイングランド王子役のGary Avisが、ひたすら彼女をリラックスさせ「お守りします」態勢で挑んでいたのが手に取るようにわかり、大変微笑ましく、感動させられた。
また、ローズ・アダージョが大いに盛り上がって大円団を迎えると、なんというのかな、いつもこのシーンを見るたびに感情の波が胸の底から押し寄せる(音楽と、世界の美しさと、練達し続けるひたむきな人間の美しさに)のだが、後ろで控えているオーロラ姫お友達役のメンバーもわたしと全く同じように感極まって(涙ぐんでいる?)いるのがわかり、最後まで心に残った。
舞台芸術は生で見てこそ、だと思うが、こういう点に気が付くことができ、大画面で見るのもいいものだ。
青い鳥のパ・ド・ドゥは久しぶりに良いものを見た。Yasmine Naghdi Matthew Ball。さすが。
一つ、プロダクションで文句をつけるとしたら、衣装がいまひとつなところに。
例えば大切な役、ライラック・フェアリーの衣装はエプロンをつけた人みたいで優雅さに欠ける。
そして「オーロラ姫は100年の眠りにつく」のだから、彼女が目を覚ました後の結婚式のシーンはモードも100年後になっていないとおかしいと思う...
服飾の時代考証が入ったらもっと面白みがあるのではないか。
例えばバロック期とロココ期にするとか。結婚式のシーンがロココだと映えるし。
王妃が100年後も同じ服を着ているのは完全に手抜きだと思う(笑)。
このブロードキャストは14日間保存されるのでぜひぜひ。
https://www.youtube.com/watch?v=J1ynQlyA7n4&feature=youtu.be
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