コトバヲツグムモノ

「口を噤む」のか「言葉を紡ぐ」のか…さてどちらの転がっていくのか、リスタートしてみましょう。

親子コミュニケーションのちょっとした心がけ 25

2008-09-05 23:24:30 | 親子コミュニケーション

先日、日曜日に友人の家族と一緒に遊園地へ遊びに行った。
6歳の一番下の息子も、身長制限が無ければジェットコースターなどにも楽しんで乗っていた。
上の小学生の兄のほうが、そういう遊具は苦手で尻込みするのだが、むしろ「お兄ちゃんが乗れないものでも、僕は乗れるんだ!」とばかりに、率先して乗りたがる。
普段も、兄が食べられない辛いもの(キムチなど)も平気で食べるのだが、本当に好きなのか、背伸びしているのかはまだわからない。

そんな子が、その夜に「お化け屋敷が怖かった」と言ってなかなか寝付けなかった。
ただ背伸びしているだけじゃなくて、得手不得手が兄弟それぞれでとで違うんだな、と。

で、ここからが本題だが、その晩に怖がるのは良いとして、次の日から毎日
「お化け屋敷のことが忘れられへん」
「思い出したら怖くなる」
「どうしたら忘れられるんやろ」
と、しつこいくらいに泣きついて来る。

最初のうちは
「もっと楽しいこと思いだしたら?」
「そうやって言うからまた思いだすんやで」
と、やさしく応えるが(もっともこの時点で、彼の言い分を聞いているのではなく、こちらの意見になっている)こう毎日続くと
「ほんなら、もう遊園地は行かんとこ」
とこちらがキレてしまう。

連れ合いにいたっては
「せっかくみんなで楽しもうと連れて行ったのに!」
と恨み節まで飛び出してしまう。

自分の今の気持ちを正直に言っているのに、私のほうが受けきれずに、言われることに感情的になってしまう。
これは大いに反省しなければならない。

では、どういう聞き方がいいのか…
じつはそのことで困ってしまった。

今まで、この「親子コミュニケーション」シリーズで繰り返していることからいけば、
「お化け屋敷のことが忘れられへん」
「そうか、忘れられへんのやねぇ」

「思い出したら怖くなる」
「そうか、怖いんか」

「どうしたら忘れられるんやろ」
「どうしたら忘れられるんやろって思ってるんやな」
と受け止めていくのが一つの方法なのだが、この子にとってはすぐの解決になっておらず、結局同じことを繰り返し訴えることになる。
なので、こちらも受けきれずに”指示的”になってしまうのだ。

そこで、いろいろ振り返ることで思い至ったことがある。

こういうコミュニケーションで「オウム返し」というのが一つの大事な聞き方・態度ではあるが、こういう”形”が目的じゃないという基本に立ち返ること。
カウンセリング的態度というのは、こういう手法を大事にすることではなく、
「お互いの成長を信じる関係作り」
が肝だ。

子どもの訴えを受けきれなくなるのは、「子どもが自分で気付いていく」ということを信頼できずに、「私がどうにかしてやろう」という気持ちに支配されていると言うことじゃないだろうか。

もちろん、この「信頼できる関係」というのは簡単に築けるものじゃないので、形から入っていくことが大事だが、あまりに形にとらわれて本質を見失うことは気をつけなければならない。

ちょっと尻切れトンボの感もあるが、このことはまた改めて言葉にしてみたい。

とりあえず、今回言いたかったことは
形じゃなく「関係」が大事ということ。
そして…偉そうに言ってはいるが、私もこの程度の”ダメ親”ということ。

親子コミュニケーション 24 「Keep On Smilin' 笑おうや」
親子コミュニケーション 23 「子どもの話したいこと」
親子コミュニケーション 22 「聞いてもらえる体制作り」
親子コミュニケーション 21 「私メッセージ」
親子コミュニケーション 20 「11~19のまとめ」
親子コミュニケーション 10 「1~9のまとめ」